ケアマネジャーの正式名称は「介護支援専門員」。介護保険制度施行にあたって誕生した資格で、制度を利用する際の相談から効果的・効率的なケアプランの立案、効果の検証とサービスの継続実施を担う専門職。

ケアマネジャーは「介護保険制度」運用の要

ケアマネジャーになるためには、受験資格を得た上で、各都道府県が行っている試験に合格し、都道府県で行っている実務者研修を終了しなければならない。

現在の受験資格は、介護サービスとそれに関わる保健・医療・福祉サービスについて実務経験5年以上となっているが、2018(平成30)年からは介護福祉士、看護師、社会福祉士などの国家資格を取得してから実務経験5年以上となる。

こうした受験要件の見直しは、今後加速的に高齢化が進む中で、より質の高いケアマネジャーを育成して行くための施策の一つである。

ケアマネジャーの仕事

要介護認定の申請・更新業務

介護や支援を必要とする本人または家族に代わって要介護(支援)認定の申請を代行する。(その後、認定調査は別途調査員が行う)

新規の認定ではなく、すでに認定されている人の更新の場合は、ケアマネジャーが認定調査を行うことが多い。

課題分析(アセスメント)とケアプラン作成

利用者が在宅での介護サービスを希望する場合は、利用者の要望を聞き取るとともに、利用者の解決すべき課題を分析し、訪問介護、訪問入浴、デイサービスなど、さまざまなサービスを効果的に生み合わせてケアプラン(介護サービス計画)を立てる。

利用者が施設入所を希望する場合は、利用者の希望に合った施設をコーディネイトすることもケアマネジャーの役割。この場合、実際のケアプランは、施設に勤務するケアマネジャーが同じ施設内でケアにあたる医師、看護師、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、生活相談員、栄養士、調理師などと相談しながら立案して行く。

定期的な要介護者の自宅訪問やモニタリング

介護サービスがケアプランに基づいて適切に提供されているか、サービスを実施したことで利用者や家族の状況は変化をしたか、効果はあったか、ケアプラン修正の必要性はないかなどを確認することがモニタリング。

居宅介護支援(在宅で介護サービスを受けている要介護1〜5の利用者)の場合は、最低でも月に1回はモニタリングを実施。介護予防支援(要支援1〜2の利用者)の場合は、最低でも3ヵ月に1回はモニタリングを実施することとされている。

施設介護支援の場合、モニタリング頻度についての規定はないが、各施設で定期評価や身体状況の変化に応じた評価が行われている。

モニタリングの結果から、再び課題分析(アセスメント)を行い、ケアプランを修正していく。

情報管理と介護保険給付の管理

介護サービスの利用者とその家族の個人情報保護も、ケアマネジャーの大切な仕事の一つ。個人情報はたとえ家族間でも本人の承諾なしに口外しないこと、支援のために個人情報を用いる場合は事前に文書で承諾を得ることが義務づけられている。

また、介護保険給付額の管理や利用者負担金額の管理も、ケアマネジャーの仕事となる。

*「介護保険制度」のそのほかの説明を見る

→ 制度の目的、保険者・被保険者とは?

→ 要介護・要支援認定とは?

→ 利用できるサービス・施設の種類とは?

→ 利用者が負担する費用とは?

→ 地域包括支援センターとは?

→ ケアマネジメントとは?