高齢者が可能な限り自宅で自立した生活を送ることができるように、利用者の自宅をホームヘルパー(訪問介護員)が訪問して行う介護サービス。

訪問介護サービスの種類

訪問介護のサービスには、身体に触れて行う「身体介護」と日常的に行われる家事を支援する「生活援助」、通院などを目的とした「通院時の乗車・降車等介助」がある。

いずれのサービスも、ケアマネジャーが作成したケアプランに沿って訪問介護事業所が計画を立て、利用者やその家族の同意を得た上で実施される。

1.身体介護

身体介護のサービスには、排せつ介助(トイレ介助、おむつ交換)、食事介助、清拭・入浴介助(足浴も含む)、身体整容、更衣介助、体位変換、移乗・移動介助、通院・外出介助をはじめ、利用者の自立支援を目的とした調理や掃除などの見守り援助も含まれる。

また、体温や血圧測定、軽い切り傷ややけどの処置、軟膏の塗布(褥瘡を除く)、湿布の貼付、一包化された内服薬の内服介助など、厚生労働省が医療行為ではないと判断した行為も、身体介護として訪問介護で提供されている。

2012(平成24)年からは、たんの吸引や経管栄養の処置についても所定の研修を終了した介護職が医師や看護職と連携しながら訪問介護で行えるようになり、寝たきり高齢者の介護をする家族の負担軽減につながっている。

身体介護の利用者負担の目安(利用者負担1割の場合/1回につき)*
20分未満         165円
20分以上30分未満     245円 
30分以上1時間未満    388円
1時間以上1時間半未満   564円

2.生活援助

調理、洗濯、掃除、ベッドメイク、衣類の整理、被服の補修、買い物、薬の受け取りなど、日常生活を支援するサービスが生活援助。

ただし、利用者の日常生活に支障がないと判断される行為(草むしり、花木への水やり、ペットの世話など)や、日常的な家事を超える行為(大掃除、窓のガラス拭き、正月の準備など)は生活援助サービスに該当しない。

また、利用するためには、以下の条件を満たしていることが必要になる。
●原則として、独居高齢者であること
●家族がいても障害や病気がある、仕事をしているため長時間不在で家事ができない、などの場合
●家族がいても、家族関係に深刻な問題があって支援ができない場合

生活援助の利用者負担の目安(利用者負担1割の場合/1回につき)*
20分以上45分未満    183円 
45分以上        225円

3.通院時の乗車・降車等介助

要介護1〜5と認定され、通院の必要がある利用者に対して行うサービス。利用者の自宅を訪問し、外出前の準備、車への移動・移乗の援助から病院受付までの移動援助、受診手続き援助、受診完了から帰宅までの援助などが含まれる。

通院時の乗車・降車等介助の利用者負担の目安(利用者負担1割の場合/1回 片道につき)*
利用時間に関係なく    97円
注)交通運賃が別途必要

介護予防 訪問介護

介護予防訪問介護は、要支援1・2の認定を受けた人が利用できるサービス。自立に向けた支援が目的で、調理や掃除の見守り援助や協働作業が中心となる。同居する家族がいる場合は利用できないが、家族が仕事をしているために長時間不在で、日常的な家事ができない場合は利用できる。

介護予防訪問介護は、2018(平成30)年までに市区町村の総合事業に移行することが決められている。市区町村移行後は、これまでのサービスに加えて、NPO、民間企業、ボランティアをはじめ、地域の元気な高齢者が介護サービスの支え手となって活躍することも期待されている。

介護予防訪問介護の利用者負担の目安(利用者負担1割の場合/1月につき)*
週1回程度の利用        1168円
週2回程度の利用        2335円
週3回程度の利用(要支援2のみ) 3704円 

*1単位=10円で計算した場合。地域により金額は変動する。

●「介護保険制度」のそのほかの説明を見る

→ 要介護・要支援認定とは?

→ 利用できるサービス・施設の種類とは?

→ 利用者が負担する費用とは?