ナースにおすすめの資格をご紹介。キャリアアップのための看護の専門資格から、福祉や癒しの世界へ飛び込む資格など、さまざまな種類があります。新しい目標が見つかるかも!
今回は「精神保健福祉士」です。

精神保健福祉士とは、どんな資格?

精神保健福祉士とは、精神障害者やその家族に対して生活支援や相談支援を行うソーシャルワーカーのこと。英語ではPSW(Psychiatric Social Worker)と呼びます。1997年施行の「精神保健福祉法」に伴って誕生した国家資格です。

精神保健福祉士は、精神障害者が日常生活をスムーズに送れるように環境を整え、社会復帰のための助言や訓練、サポートを行います。
平成28年3月末日時点で、登録者数は71,371名。男女比では、男性が30%、女性が70%程度。女性の活躍が目立つ資格です。

どんな人に向いている?

精神保健福祉士は、心の病を負い、日常生活や社会生活が困難になった人たちを支え、社会復帰へと導く仕事です。一人ひとりの悩みや苦しみに共感し、思いやりをもって接することができる人に向いています。

精神障害者が社会復帰するにあたっては、さまざまな壁があります。相手が置かれている状況を広い視点で理解し、一緒に問題を考え、解決できる人が望ましいでしょう。また、地域との橋渡し役であるため、コミユニケーション能力や調整能力も必要になります。

どんな場所で活かせる?

精神保健福祉士の主な職場は、精神科病院、精神科や心療内科のある病院や診療所などです。医療機関以外では、ケアホームや作業所などの生活や就労前の訓練支援施設、自治体の精神保健福祉センターや保健所など。

2006年に「障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)」が施行されて以降、精神保健福祉士の活躍の場はさらに広がりつつあります。

どうしたら資格がとれる?

受験資格を得るには、11の方法があります。
主なルートは、(1)福祉系大学で指定科目を修めて卒業する、(2)福祉系短大等で指定科目を修めて卒業し、相談援助の実務を1~2年以上経験する、(3)精神保健福祉士養成施設を卒業する、などです。
受験資格を得たうえで精神保健福祉士国家試験を受け、合格すると資格を取得できます。

*詳細は、社会福祉振興・試験センターのホームページを参照

資格取得のための教育や講習の内容・期間

4年制大学を卒業せずに精神保健福祉士の受験資格を得るには、多くの場合、相談援助の実務経験を積むことが必要になります。また、相談援助業務を4年経験してから養成施設で学ぶ場合は、大学・短大の卒業資格は必要ありません。

いずれにしろ、資格取得はたやすくはありません。どれが自分にとって最短コースか、見定めたうえで準備していきましょう。

働きながらめざす場合は、通信教育課程を利用するのも方法です。保健福祉系大学の通信教育課程を修了すれば、実務経験なしでも受験資格が得られます。ちなみに、私立大学の通信教育部の4年間の学費の総計は、85万円程度です。

資格試験の内容や合格率

国家試験は毎年1回、1月下旬に行われます。試験地は、北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県の7都道府県です。

<試験科目>
[1]精神疾患とその治療
[2]精神保健の課題と支援
[3]精神保健福祉相談援助の基盤
[4]精神保健福祉の理論と相談援助の展開
[5]精神保健福祉に関する制度とサービス
[6]精神障害者の生活支援システム
[7]人体の構造と機能及び疾病
[8]心理学理論と心理的支援
[9]社会理論と社会システム
[10]現代社会と福祉
[11]地域福祉の理論と方法
[12]福祉行政財政と福祉計画
[13]社会保障
[14]障害者に対する支援と障害者自立支援制度
[15]低所得者に対する支援と生活保護制度
[16]保健医療サービス
[17]権利擁護と成年後見制度

以上の17科目群について、出題されます。合格率は例年60%程度です。

*ほかにも、スキルアップのための癒し・セラピー系の資格をご紹介 → 健康・癒し・セラピー系の資格

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