ナースにおすすめの資格をご紹介。キャリアアップのための看護の専門資格から、福祉や癒しの世界へ飛び込む資格など、さまざまな種類があります。新しい目標が見つかるかも!
今回は「専門看護師」です
専門看護師とは、どんな資格?
専門看護師とは、看護ケアのスペシャリストのこと。解決するのが難しい複雑な看護問題を持つ個人、家族および集団を支援するために、日本看護協会が認定する資格です。
専門看護師は、特定の専門看護分野の深い知識と技術を持ち、医療スタッフ間や保健医療福祉に携わる人たちのコーディネーションを行います。水準の高い看護を提供する“キーパーソン”となる資格であり、実践から相談、教育、倫理調整、調整、研究まで、幅広い役割を担っています。
2016年1月時点で、専門看護分野として特定されているのは、以下の11分野です。
●専門看護分野
がん看護、精神看護、地域看護、老人看護、小児看護、母性看護、慢性疾患看護、急性・重症患者看護、感染症看護、家族支援、在宅看護
どんな人に向いている?
専門看護師は、臨床現場で看護にあたるだけでなく、組織を超えた教育や調整(マネジメント)を行います。必要なケアが適切に行われる環境を整えるためには、コミュニュケーション能力や折衝能力が必要になります。
また、患者や家族をはじめ、専門分野によっては地域社会まで対象が広く、さまざまな人と向き合います。社会の動きにも敏感で、幅広い視野から人や人間関係を理解できる人に向いています。
看護職に対する教育、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる倫理調整、研究活動も専門看護師に限られた役割です。看護師としての資質に優れ、看護学を極めていきたい人におすすめです。
どんな場所で活かせる?
専門看護師として活躍できるのは、がん看護や精神看護などの11分野です。それぞれの診療科のある病院をはじめ、地域看護分野なら産業保健、学校保健、保健行政、在宅ケアの領域など。
また、老人看護分野なら、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設など、専門分野ごとに活躍の場が広がっています。
どうしたら資格がとれる?
専門看護師は、とてもハードルの高い資格です。資格を得るには、大学院修士課程修了や実務経験が必要になります。
<主な受験取得>
■看護系大学院修士課程修了者で、日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位を取得していること
※2016年4月時点で、専門看護師教育課程として認定されているのは、105大学院288課程。
■看護師の資格取得後、実務経験が通算5年以上であること。そのうち通算3年以上は専門看護分野の実務研修をしていること
要件を満たしたうえで認定審査を受け、合格すると専門看護師の資格を取得できます。
資格取得のための教育や講習の内容・期間
専門看護師をめざすには、大学院に通う必要があります。その間、仕事との両立は難しいため、収入がなくても大丈夫なよう、学費と生活費を確保しておくことが大切です。
2年間の学費の総額は、国公立で約140万円、私立で約250万円程度。各大学院で奨学金を設けているので、利用できるか調べておくとよいでしょう。
資格取得をサポートしてくれる病院であれば、仕事との両立も可能になります。長期の休職制度があったり、学費の一部を奨学金として支援してくれるなど、環境が整っている医療機関に転職して、資格取得に向けた準備をする人もいるようです。
資格試験の内容や合格率
認定審査は、毎年1回行われます。1次は書類審査、2次は看護実績報告書と論述式の筆記試験。筆記試験は、時事問題、総合問題が出題されます。
合格率は例年95%程度です。合格率が高い理由は、相応の実力と意欲のある人がチャレンジしているため。限られた人しか受けられない難関資格であることに変わりはありません。
ちなみに、2015年12月時点で、資格取得者の総数は、全国で1694名です。
なお、資格は更新制。5年ごとに更新審査を受ける必要があります。
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