ナースが知っておきたい資格をご紹介。キャリアアップのための看護の専門資格から、福祉や癒しの世界へ飛び込む資格など、さまざまな種類があります。新しい目標が見つかるかも!
今回は「認知症ケア専門士」です。

認知症ケア専門士とは、どんな資格?

2012年の時点で、日本の認知症患者数は462万人。厚生労働省の調査では、高齢者人口の急増とともに増加し、2025年には700万人になると予想しています。
こうした状況を受け、日本認知症ケア学会が認定するのが、認知症ケア専門士です。
認知症ケア専門士とは、認知症患者に対する高度な技能と倫理観を備えた専門技術士のこと。職種名ではなく、認知症介護に従事している人の自己研鑽と生涯学習の機会を提供することを目的に設けられた民間資格です。

どんな人に向いている?

認知症は、本人にとっても家族にとっても深刻な問題です。症状はさまざまですが、時間や場所がわからなくなったり、怒りっぽくなったりしていくことに、何より本人が一番不安に襲われていることを理解する必要があります。そのうえで、不安や不快な状態を取り除き、少しでも心穏やかに過ごせるよう配慮できる人に向いています。
もちろん、誰に対しても、人間として、また、人生の先輩として尊敬の気持ちを持って接し、信頼関係を築いていける人に適しているといえるでしょう。

どんな場所で活かせる?

認知症ケア専門士は、介護施設や療養型病院などで認知症ケアに携わっている人を対象とした資格です。取得者は、介護福祉士、介護支援専門員、ヘルパーが最も多く、次いで看護師となっています。
介護、福祉、医療の連携が進む現在、介護系、医療系の施設を問わず活かすことができ、転職にも役立つ資格です。

どうしたら資格がとれる?

認知症ケア専門士の認定試験を受けるには、認知症ケアに関する施設、団体、機関などにおいて、過去10年以内に3年以上の実務経験が必要です。
施設等は認知症専門である必要はなく、職種や職務内容についても、認知症ケアに携わっている限り制限はありません。

詳細は、日本認知症学会のホームページを参照

要件を満たしたうえで認定試験を受け、合格すると認知症ケア専門士の資格を取得できます。

資格取得のための教育や講習の内容・期間

資格取得のための公式テキストがあり、試験はこれに準じた内容で出題されるようです。入手し、自分のペースで勉強をしていきましょう。1~5巻まであり、価格は全冊で約1万円です(2017年時点)。
また、認定試験前には、受験対策講座も開催されます。参加費は2日間で15,000円です(2017年開催の場合)。

資格試験の内容や合格率

試験は毎年1回、7月(1次)と11月(2次)に行われます。
1次は筆記試験で、合格者に論述問題が与えられ、これを提出したうえで2次試験の面接(6人1グループで実施)が行われます。合格率は、40~60%ほどです。
なお、資格は更新制で、5年毎に更新する必要があります。

*ほかにも、スキルアップのための介護・福祉系の資格をご紹介 → 介護・福祉系の資格

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