ナースにおすすめの資格をご紹介。キャリアアップのための看護の専門資格から、福祉や癒しの世界へ飛び込む資格など、さまざまな種類があります。新しい目標が見つかるかも!
今回は「臨床発達心理士」です。

臨床発達心理士とは、どんな資格?

臨床発達心理士とは、子どもから大人まで、人の健やかな育ちを支援する心理カウンセラーのこと。数ある心理職関連の資格の中でも、発達心理学をベースに、発達という観点からカウンセリングを行う点が特徴の資格です。

臨床発達心理士は、虐待、不登校、引きこもり、育児不安などの現代的問題から、発達障害の人の社会適応の問題、成人期・老年期などの問題など、それぞれのライフステージで悩みを抱えている人たちの発達をめぐる問題を査定し、具体的な支援を行います。発達心理に関する4つの団体(日本発達心理学会、日本教育心理学会、日本感情心理学会、日本コミュニケーション障害学会)が連合して設立した「臨床発達心理士認定運営機構」が認定を行っています。

どんな人に向いている?

発達心理学は、乳幼児期から児童期、青年期、成人期、老年期にわたる人間の心と行動を研究する学問です。臨床発達心理士は、発達心理学をベースに、発達的観点から支援を行うため、人の生涯にわたる発達、成長について学んでみたい人におすすめです。

発達をめぐって起こるさまざまな悩みや不安に向き合うためには、その人の家族関係などのバックグラウンドを知り、理解する必要があります。つらい状況をわかって、相手をありのままに受け止め、信頼関係を作っていくことができる人に向いています。

また、虐待や発達障害などの問題に対処する場合は、家族や地域社会との連携が必要になります。SOSの声を見逃さず、さまざまな人や機関へと支援の輪を広げていける人が適しているでしょう。

どんな場所で活かせる?

臨床発達心理士の主な活躍の場は、児童相談所や養護学校、障害者施設など。また、文部科学省が推進するスクールカウンセラー事業では、臨床発達心理士の資格保有者が準スクールカウンセラーとして規定されていて、スクールカウンセラーとして勤務することもできます。このほか、保健所、子育て支援センター、リハビリテーションセンター、老人ホームなど、資格を活かせる場は広がっています。

どうしたら資格がとれる?

臨床発達心理士の資格を得るには、まず資格申請のための条件を満たしていることが必要です。

申請タイプは10種類あり、大きく分けると、<基本タイプ>と<現職者タイプ>の2つがあります。

<基本タイプ>は、発達心理学隣接諸科学大学院修了者(修了見込み者)が対象。
<現職者タイプ>は現職者を対象としたもので、教育歴(学歴)、指定科目(単位)の取得数、臨床経験の年数によって9種類があります。

*詳細は、臨床発達心理士認定運営機構のホームページを参照

各タイプの申請条件を満たしたうえで認定審査を受け、合格すると資格を取得できます。

資格取得のための教育や講習の内容・期間

臨床発達心理士は、大学院修士課程修了者を基本に、発達の臨床に携わる現職者や研究者に開かれている資格です。ゼロからのスタートでめざすには発達心理学隣接諸科学を学べる大学院に入学する必要があり、資格取得は簡単ではありません。

ちなみに、臨床発達心理士認定運営機構では、発達心理学隣接諸科学の範囲を以下のようにしています。
発達心理学、心理学、教育学、障害児教育学、幼児教育学、保育学、児童学、福祉学、社会福祉学、小児科学、老年学、医学、リハビリテーション学、看護学、発達障害学、保健体育学、体育心理学、スポーツ健康科学、人間学、応用人間科学、(心理学的)コミュニケーション学、人間社会学、社会学
※学部・学科名が違っている場合でも、専攻内容が上記に該当すれば申請できます。

以上の範囲内で自分が興味のある専攻を決め、大学院を選び、進学の準備を始めましょう。大学院の2年間の学費は、公立で約140万円、私立で約230円ほどです。
なお、4年制大学を修了していない場合、まずは4年制大学に入学する必要があります。

資格試験の内容や合格率

資格認定申請および審査は、原則として年1回行われます。1次審査は、書類審査・実習/事例報告書審査・筆記試験(基本タイプのみ)。1次合格者に対し、2次の口述審査が行われます。合格率は公表されていません。
なお、資格の有効期間は5年間。5年ごとの更新が必要になります。

*ほかにもスキルアップのための資格をご紹介 → 健康・癒し・セラピー系の資格

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