看護師と聞くと、ほとんとの人が病院で働く看護師をイメージするのではないかと思います。
平成29年看護関係統計資料集(日本看護協会出版会編集)によると、69.4%の看護師が病院に就業しているそうです。

ここでは、病院で働く看護師の仕事内容、1日の流れ、平均給与、向いているタイプなどをご紹介します。

病院で働く看護師の仕事・業務内容

規模や体制にかかわらず、病院の診療は通常、中心となる医師をさまざまな専門スタッフがサポートする形で行われます。こうしたチーム医療の重要な役割を担っているのが看護師です。規模や診療科によって仕事内容は多岐にわたり、さまざまな部門で活躍することができます。たとえば、入院患者を担当する病棟部門では、清拭、検温、処置・点滴管理、食事介助、投薬などを行います。外来患者を担当する外来部門では、医師による診療のサポートや検査業務などを行います。また、救命救急室、手術室、集中治療室では、刻々と変化する患者の状態をアセスメントしながら必要な処置と看護に当たります。

病院の組織として、看護部門は通常、入院や外来などの役割ごとに分類される一方、診療科が多い病院では診療科ごとに分けられています。いずれの場合でも、統率の取れた組織となっており、病院で働く看護師はチームワークを大切にしています。

病院(病棟)で働く看護師の1日のスケジュール(例)

■08:00 出勤・申し送り
ナースステーションで担当の患者さんの情報や医師からの指示を確認します。
夜勤のチームリーダーから患者さんの状況について申し送りを受け、情報を共有します。
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■08:30 バイタルチェック・看護ケア
担当の患者さんのバイタルサイン測定。薬の配布や点滴、トイレ介助や清拭介助などを行います。
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■10:00 医師の指示による処置・ナースコール対応
医師の指示に基づいた処置を行いながら、ナースコールに随時対応します。
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■11:30 昼食準備・食事介助
昼食の用意から食事介助、配薬、口腔ケア、下膳までを行います。
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■12:30 昼食
11時から13時くらいまでの間に、交代で昼食をとります。
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■13:30 入院患者の受け入れ対応
あらたな入院患者さんの受け入れをします。
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■14:00 バイタル・看護ケア・記録
病室を回り、午後の検温、血圧などのバイタルチェックを行い、パソコンにデータを入力します。同時に、患者さんの状況を確認し、必要なケアを行います。
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■15:00 カンファレンスなど
検査や手術を予定している患者さんがいたら、その準備をし、送ります。状況によってカンファレンスも入ります。
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■15:30 看護記録作成
当日の患者さんの状況や処置内容などを記録します。
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■16:30 申し送り
日勤から夜勤へ、患者さんの状況を報告します。
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■17:00 退勤

病院で働く看護師の平均年収

病院で働く看護師の平均年収
平成30年度賃金構造基本統計調査(厚生労働省)によると、全国の正看護師の平均年収は479.9万円(准看護師は402万円)。病院で働く看護師の平均年収は、病院や在職年数、キャリアによって異なりますが、看護師全体で450~550万円程度と予測されています。

病院の中で一番平均年収が高いのは救急救命病棟(ER)で540万円。次いで大学病院の490万円、総合病院の470万円となっています。高度医療を行っている病院ほど年収が上がるのは、夜勤や早出などのシフトに加え、基本給以外の手当が出ることや、それ相応の高いレベルのスキルが求められるためです。いずれにしろ、病院への就職、転職は基本的に売り手市場であり、各病院が優秀な看護師の獲得に力を入れています。

病院で働く看護師 メリット・デメリット

大学病院や国公立の大規模な病院では最先端の医療に携われます。診療科の多い総合病院では、いろいろな診療科目を経験できる可能性があります。がんをはじめとした病気に特化した専門病院では集中的に専門的な領域に携われます。

このように、病院で働くメリットとしてあげられるのは、看護師としての専門的な知識や技術を高められることです。看護師のキャリアアッププログラムを設定し、ジェネラリストからエキスパートへとレベルアップしていく教育・研修を行っている病院もあり、キャリアアップしたい人に最適です。また、待遇面でも病院勤務は安定しており、福利厚生を充実させている病院も増えています。産休・育休制度に加え、職場復帰の支援体制を整えたり、出産や育児などで離職していた人の就業支援を行っている病院もあります。

病院で働くデメリットをあえてあげるなら、不規則な就業時間です。外来では担当時間制や定時制をとっているのに対し、病棟では通常、2交替制もしくは3交替制。ここに夜勤や準夜勤のシフトが組み込まれます。体力的に大変だったり、夜勤を行えない事情がある場合は、無理のないよう考慮することが必要です。また、病院の現場には現在、医療の「高度化」「効率化」の波が押し寄せています。看護師には細分化された専門性が要求され、看護業務の密度も濃くなっています。こうした波にストレスを感じることなく対応する覚悟も必要です。

病院で働く看護師のスキル・資格

看護師もしくは准看護師の資格は必須ですが、近年は「認定看護師」や「専門看護師」の認定を受け、専門性を究めたエキスパートとして働く人も増えています。また、管理者としての実績を積み、師長や看護部長へのステップアップを目指す人もいます。スペシャリストや管理職としての道は選択しなくても、病院で働く看護師は、つねに新しい知識や技術を学ぶ姿勢をもち、自らが期待する看護師像に向かってキャリアアップを図っていくことが大切です。

病院で働く看護師が向いているタイプ

病院の看護師に向いているタイプ
病院における看護はすべてチームで行われます。チームに溶け込み、その一員としてしっかり役割を果たすのはもちろん、24時間医療・看護体制の病院では交代するチームとの連携も不可欠です。このようにチームワークが仕事の土台のため、集団や組織で行動することに魅力を感じる人に向いています。また、医師や同僚、患者や家族などとの意思疎通が要求されるため、コミュニケーション能力が必要なのは言うまでもありません。

一口に病院と言っても、規模や運営方法、診療科によって求められるスキルや適性も変わってきます。たとえば、外科系はテキパキとした判断力と行動力が必要。一方、内科系は患者とじっくり向き合いケアする気づかいが求められるとよく言われます。診療科によって特徴はあるにしても、現実に直面して得た気づきや発見から学んでいける人は、どんな職場にも適応できます。自分が興味を持って取り組める診療科があるかどうか確認するのはもちろん、「次にやりたいことが見つかるかもしれない」と考えてみるのも、キャリアアップの選択肢が広い病院への転職活動のポイントです。