高齢者が可能な限り自宅で自立した生活を送れるように、手すりの取付けや段差解消などの住宅改修を行った場合に、20万円を限度額として支給してくれるサービス。ただし、支払った金額の1割(または2割)は自己負担となる。

住宅改修の給付対象となる工事

1.手すりの取付け
2.段差の解消
3.滑り防止のための床、または通路面の材料変更
4.引き戸などへの扉の取替え
5.洋式便器などへの便器の取替え
6.上記1〜5の工事を行うために必要となる工事
(手すり取付けのための壁の下地補強、浴室やトイレの改修に伴う給排水設備の工事、扉の取替えに伴う壁や柱の改修工事など)

住宅改修の対象者と支給限度基準額

対象者:要介護認定を受け、自宅で暮らしている要支援1〜要介護5までの人が対象。

支給限度基準額:1人において、総額20万円(ただし、支払った金額の1割、または2割は自己負担)。支給限度基準額を超えた分は、自己負担となる。

例) 初回の住宅改修工事で段差解消に15万円かかった場合、介護保険の自己負担額が1割ならば1万5000円の自己負担、2割ならば3万円の自己負担となる。
残りの住宅改修の対象額は、(支給限度基準額20万円)-(使用した額15万円)=5万円。
2回目の住宅改修で、手すりの取り付けに7万円かかった場合、20万円までの支給限度額をオーバーした2万円は自己負担。支給限度内の5万円に対しては介護保険の自己負担額(1割、もしくは2割)を支払うことになる。

支給限度基準額の例外

20万円の住宅改修費は、原則として1人1回しか利用できないが、以下の場合は再度支給を請求することができる。

1.初回支給時より要介護状態が著しく重くなり、要介護状態が3段階以上上がった場合

初めて住宅改修費が支給され、改修に着工したときの要介護状態に比べ、要介護状態が3段階以上上がった場合は、それまで支給を受けた額に関わらず、再度、支給限度基準額の20万円まで支給を申請することができる。ただし、この例外は1人1回に限る。

2.住宅改修した住宅から転居した場合

転居した場合は、転居前の住宅で住宅改修費の支給を受けていたとしても、転居後の住宅について支給限度基準額の20万円まで支給を申請することができる。

住宅改修のサービスを受けるときの流れ

1.担当のケアマネジャーに相談する

要介護1〜5の認定を受けている人はケアマネジャーに、要支援1、2の認定を受けている人は、地域包括支援センターで相談をし、住宅改修に適したリフォーム会社などを探してもらう。

2.住宅改修プランを作成し、申請する

住宅改修プランを作成し、市区町村へ申請を行う。申請書、見積書、住宅改修が必要な理由書(ケアマネジャーや地域包括支援センターが作成)、工事施工前の写真、完成予定図などを揃えて、申請を行う。

3.かかった費用の支払い

改修工事終了後、いったん、かかった費用の全額を支払う。

4.住宅改修費の給付を申請する

領収書、工事内容の内訳書、改修工事後の写真などの必要書類を市区町村に提出し、住宅改修費の給付を申請。

5.住宅改修費の支給

かかった費用の9割(もしくは8割)が戻ってくる。

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