認知症の方が可能な限り自宅で自立した生活ができるように、日常生活の支援(食事や入浴)や生活機能の向上、心身機能の維持を目的としたレクリエーションや訓練などを、小規模の通所施設で提供する地域密着型サービス。利用者の引きこもりや孤立感の解消、家族の介護負担軽減にも役立つ。

認知症対応型通所介護のサービス内容

認知症高齢者に対して細やかなケアができるように、定員12名以下の小規模施設で提供され、一般的な通所介護(デイサービス)よりもケアスタッフの配置が手厚くなっているのが特徴。
サービス内容は一般的なデイサービスと同様で、送迎、健康チェック、食事、入浴、機能訓練、カラオケや囲碁などのレクリエーションがプログラムに組み込まれている。

認知症対応型通所介護の利用の流れ

利用に際しては、医師による認知症の診断書(脳血管疾患やアルツハイマー病などにより、日常生活に支障をきたすほど認知機能が低下した状態にあることを証明するもの)が必要。
また、地域密着型サービスであるため、施設がある市区町村に住んでいること、地域にある有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの住所地特例の対象施設に入所していることが条件となる。

1. ケアマネジャーに相談

要介護1~5の方は、担当のケアマネジャーに相談し、利用可能な数カ所の認知症対応型通所介護を選んでもらう。

2. 見学・比較検討

認知症高齢者は環境の変化に敏感であるため、できれば利用する本人とともに施設を見学に行き、比較検討する。

3. 契約・利用開始

利用する施設を決定したら、ケアマネジャーにケアプランを作成してもらい、契約後利用開始。

*要支援1、2の方は、地域包括支援センターで相談をすれば、介護予防認知症対応型通所介護として対応してもらえる。

認知症対応型通所介護の利用料

認知症対応型通所介護の施設には、3つのタイプがある。利用時間は、半日、1日など、利用者の都合によって選ぶことができる。

(1)単独で運営している単独型タイプ(定員12人以下)
(2)特別養護老人ホームなどに併設されている併設型タイプ(定員12人以下)
(3)認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を利用してグループホーム入居者とともにケアを行う共用型タイプ(定員3人以下)

3つのタイプの中で最も利用料が高くなるのは単独型タイプ。1日あたりの利用料の他、食費、おむつ代、日常生活費などがかかる。

●認知症対応型通所介護(単独型タイプを7時間以上9時間未満利用した場合の1日あたりの利用料)
要介護1 1,072円
要介護2 1,189円
要介護3 1,305円
要介護4 1,422円
要介護5 1,539円

●介護予防認知症対応型通所介護(単独型タイプを7時間以上9時間未満利用した場合の1日あたりの利用料)
要支援1 927円
要支援2 1,036円
*上記の費用は、介護保険の自己負担が1割の場合。一定の所得がある場合は自己負担割合が2割になる。
*上記の費用は、1単位=10円で計算した場合。地域により金額は変動する。