医学的管理下での充実した看護・介護や機能訓練と、食事や排せつ、入浴などの日常生活支援も含めたケアが比較的安価な費用で受けられる。
介護療養型医療施設の入所条件
入所は原則として65歳以上、要介護1以上。
「療養病床」は急性期の治療を終えて療養が必要な人が対象。喀痰吸引や経管栄養、膀胱留意カテーテルなどを装着していて専門的な医療的ケアが必要な人、ターミナルケアが必要な人も入所が可能。
「老人性認知症疾患療養病棟」では、認知症の行動・心理症状があり、自宅での生活や介護が困難になった場合に入所ができる。
入所に際しては、各施設の窓口に申込書を提出。医師の紹介状や診断書などが必要となる。施設側で回復に向けた介護サービスプランが実施できるかを検討し、入所判定が行われる。
介護療養型医療施設のサービス内容
介護療養型医療施設では、利用者100人に対して医師が3人以上、看護師17人以上、介護スタッフ17人以上と、手厚い医療スタッフの配置で24時間医療的ケアが受けられるのが大きな特徴。運営機関は病院や診療所で、食事・入浴・排せつなどの日常生活支援なども24時間態勢で提供される。
療養病床は、療養とリハビリが1日の生活の中心になるが、老人性認知症疾患療養病棟では、認知症の進行緩和を目的としたレクリエーションなども行われる。
介護療養型医療施設は2017年度末(2018年3月)に廃止し、新たな施設に転換していくことになっていたが、なかなか転換が進まず、厚生労働省は同施設の転換・廃止をさらに6年間延期。
新たな受け皿として「介護医療院」を設置し、転換を進めていくことになった。
介護療養型医療施設の利用料
特別養護老人ホームと介護老人保健施設、そして介護療養型医療施設を含めた3つ施設は、医療法人、社会福祉法人、地方公共団体などが運営している公的な施設。
そのため入所一時金などは一切なく、月額利用料も「介護保険料+居室費+食費」で8〜13万円程度と安価。おむつ代も介護保険料に含まれるなどのメリットがある。
ただし、介護療養型医療施設で多くの医療的ケアを利用した場合は、医療加算によって費用がかさむケースもある。
介護療養型医療施設には、病院の療養病床、大学病院等の老人性認知症疾患療養病棟の2種類があり、その中にも、従来型個室、定員2人以上の「多床室」、10人程度の入所者をひとつのグループとし、それぞれの個室にリビングを併設した「ユニット型個室」がある。
下記のサービス利用料の他、居室費、食事代、医療加算、日常生活費などがかかる。
●介護療養型医療施設1日あたりの利用料(自己負担料)の目安
<病院の療養病床 多床室(定員2人以上)の場合>
要介護1 745円
要介護2 848円
要介護3 1,071円
要介護4 1,166円
要介護5 1,251円
<病院の療養病床 ユニット型の場合>
要介護1 767円
要介護2 870円
要介護3 1,093円
要介護4 1,188円
要介護5 1,273円
*上記の費用は、介護保険の自己負担が1割の場合。一定の所得がある場合は自己負担割合が2割になる。
*上記の費用は、1単位=10円で計算した場合。地域により金額は変動する。