同じ看護師でもお仕事の内容は勤務先によって実にさまざま。今回は、総合病院の外科に勤める看護師の木村さん(仮名)にご協力いただき、そのお仕事内容や1日のスケジュールなどをじっくりお聞きしました。
あなたの就職先選びの参考にしてみてください。
勤務先:T総合病院(外科)
勤務歴:7年目
ずっと漠然とした憧れがあった
看護の仕事に関心を持ったのは、子どもの頃、主人公が看護の道に進んだマンガを読んだのがきっかけでした。それに小さい頃は、遊んでいてよくけがをしたんです。そのとき、優しく手当をしてくれた看護師さんが印象に残っていて。人の役に立つこと、人の世話をすることが好きだったこともあって、看護の仕事にはずっと漠然としたあこがれを抱いていました。
看護師はキツイ・キタナイ・キケンの3Kと言われたりもしていましたが、それで看護師になるのをやめようとは思わなかったですね。高校2年の時には、1日看護体験で、血圧を測ったり、足浴をしたこともあるんですよ。足浴をして、「ありがとう」と言われたときにはうれしかったですね。
進路を決める高校3年の時、祖母が亡くなったんです。何もしてあげられなかった祖母の分まで、誰かの役に立ちたい。そんな思いもあって、子どもの頃から考えていたとおり、看護の仕事を選びました。いずれ助産師の資格を取って、自宅で助産所を開くのが夢です。
寝たきりで反応が乏しくても積極的に声掛けする
准看護師、正看護師の学校に通っている間は外来担当だったんですが、正看護師の資格を取得してから6年間、ずっと内科、外科、眼科の混合病棟で、主に外科担当として勤務しています。
外科は週2回手術日があって、手術日はほかの日よりは少しバタバタしますね。午前中は点滴をしたり、病棟に戻ってきたときの準備をしたり。午後、手術が終わった後は、痛みを訴える患者さんも多いですから、訴えによく耳を傾けて、必要に応じて痛み止めを投与したり、医師の指示を仰いだりします。
一方、内科は高齢の患者さんが多く、話し好きの患者さんや、不安が強くて病状のことなどをしきりに聞きたがる患者さんもいます。処置の合間には、できるだけ話を聞くようにしています。高齢の患者さんの中には、寝たきりで話ができない人も少なくありません。でも、反応が乏しい患者さんにも声をかけることは大切。処置の際などには、意識的に声をかけるよう心がけています。
やっぱり患者さんの「ありがとう」がやりがい
当院の内科は、介護施設から肺炎などで入院してくる患者さんが多いんです。高齢のかたはベッド上での生活が続くと、筋力、体力が落ちて寝たきりになるおそれがあります。ですから、病状が安定した患者さんには、日中は車いすに座って過ごしてもらったり、トイレには自分で歩いていってもらったりするよう、声をかけています。
でも、患者さんはベッドで過ごしている方が楽ですから、声をかけてもいやがるかたが多いんですよ。いやがりながら、それでも促されて仕方なく自分でトイレに行ったり、車いすで過ごしていた患者さんが元気になり、「ありがとう」と言って退院していく姿を見ると、よかったなぁと思いますね。やっぱり、患者さんからの「ありがとう」が、看護師としてのやりがいでしょうね。
1日の勤務スケジュール
日勤タイムスケジュール
8:00 出勤
病棟に行き、点滴のチェック。
8:30 申し送り
現在の患者数、容態などについて、申し送りを受けます。
9:00 患者さんに声掛け 清拭、処置
看護師1人の担当患者さんは日によって、5人からから8人ぐらい。それぞれに「今日の担当看護師です」と挨拶に回ります。
11時ぐらいまで、入浴できない重症のかたの清拭やじょくそうの処置、術後のかたのガーゼ交換などをします。
11:30 休憩
11時30分から12時30分または13時から14時の1時間、交代で昼食の休憩。職員食堂で食事を取った後は、休憩室でテレビを見たりお菓子を食べたりして過ごします。
12:30 ミニカンファレンス
15分程度で、患者さん3、4人の看護計画の評価を行います。患者さん全員の看護計画が、週に1回ずつ評価できるように曜日ごとに割り振ります。また週2回、医師から病状の経過と今後の治療計画を聞くカンファレンスも実施します。
14:00 検査出し
外来が落ち着いた14~15時頃、検査の指示が出ている患者さんをストレッチャーでレントゲン室などに連れて行きます。忙しいときに検査出しがあると、時間を取られてけっこうたいへん。
16:30 勤務終了。残業して記録
日勤は16:30まで。患者数が少ない日や勤務者が多い日は、時間通りに帰れることも。でもたいていは18:00頃まで残り、看護記録や、熱、脈、血圧、食事量の記録表を書きます。
18:00 病院を出る
今日も1日お疲れ様でした!
夜勤タイムスケジュール
15:00 出勤
病棟に行き、点滴のチェック。夜勤は、内科担当1人、外科担当1人、フリーが1人の3人体制。
16:00 申し送り
日勤担当者からの申し送りを受けます。昼間ずっと眠ってすごしたかたなどの情報から、夜中、眠れず対応が必要かも、と予測。
16:30~ 患者さんに声掛け 点滴 ナースコール対応
「今夜の担当です」と患者さんに声をかけて回ります。指示が出ている患者さんには点滴を実施。ナースコールにも対応。
23:00 オムツ交換
オムツ交換に回りながら、患者さんの様子をチェック。
23:30 仮眠
23:30~5:00の間で、1時間40分ずつぐらい、夜勤者3人が交代で仮眠を取ります。
1:00/3:00/5:00 オムツ交換 ナースコール対応
1回もナースコールが鳴らない静かな夜もあれば、30分おきにコールが鳴ったり、大声で叫ぶ患者さんの対応に手を取られたりで仮眠が取れない夜も。
夜勤の時、たいへんなのは患者さんの急変。安定していた患者さんが急変して亡くなったりすると、本当にショックですね。
9:00 勤務終了
夜勤は9時で勤務終了。日曜日の明けは、9時で上がれることも。でもたいていは残業して記録を書きます。
10:00 病院を出る
お疲れ様でした!
*写真はイメージです。
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