透析センターの仕事は主に日勤での勤務となるため、家庭との両立がしやすく、また、専門的な知識と技術が求められますが、スキルアップを目指せます。

ここでは、透析センターで働く看護師の仕事内容、1日の流れ、平均給与、向いているタイプなどをご紹介します。

透析センターで働く看護師の仕事・業務内容

腎臓の働きが損なわれるとさまざまな異常が現れ、そのままにしておくと生命の危機につながります。そこで行われる治療法が、人工的に血液をろ過する「透析」です。透析には血液透析と腹膜透析があり、腹膜透析は患者が自宅や職場で主に行い、月に1、2回ほど通院します。透析センターや透析室、透析クリニックなどで一般的に行われているのは血液透析で、看護師は主にこの血液透析に従事します。

施設によっては医師や臨床工学技士が透析を行いますが、多くの場合、透析前のバイタル測定から始まり、針を刺し、透析用の血液回路を接続して血液浄化を行い、終了したら針を抜き、止血するまで、血液透析の一連の流れを看護師が行います。また、透析患者は、食事制限や活動制限をはじめ、日常注意しなければいけないことが多くあります。そうしたことが守られているか適宜チェックし、患者の健康管理と生活指導を行うのも看護師の役割です。

透析センターで働く看護師の1日のスケジュール(例)

■08:30 出勤
グループで役割分担の確認や申し送りなどを行います。
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■08:45 透析準備
透析装置(プライミング)の準備をし、患者の余水量を設定します。
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■09:00 穿刺(さくし)
バイタルチェックをし、穿刺を開始。
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■09:30 透析中のバイタルチェック
血圧が下がったり、足がつることもあるため、透析中も注意深く観察。必要に応じてバイタルチェックやフットケアを行います。
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■11:00 返血
体外に取り出した血液を再び体内に戻す返血作業をし、止血。
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■12:30
透析後のバイタルチェック。透析記録やカルテに記入します。
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■13:00 昼食
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■14:00
午前1クール、午後1クール。1日にだいたい2クールで透析を行います。
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■18:30 退勤

透析センターで働く看護師の平均年収

透析センターで働く看護師の平均給料
透析センターは基本的に日勤のみの場合が多く、夜勤のある病棟勤務より平均年収はやや下がり、440万円前後。ただ、日勤の看護師の平均年収は420万ほどですから、日勤だけで見るとやや高めとなっています。血液を扱うため、病院によっては感染症のリスクに伴う危険手当が支払われることもあります。また、通院だけでなく入院透析も行っている場合は平均年収500~600万のところもあり、透析の実経経験者にはさらに高額な給与を提示する求人も増えています。

透析センターで働く看護師 メリット・デメリット

透析センターで働くメリットは、主に日勤で生活と仕事のバランスが取りやすいうえに、専門性を高めていけることです。透析看護が初めての人はたくさん覚えることがあり大変ですが、病棟である程度の経験があれば問題なく対応できます。むしろ奥が深いために勉強する目標を持ちやすく、資格取得にもつなげていくことができます。また、透析看護のやりがいとしてよくあげられるのは、患者と1対1で時間をかけて密に関われることです。血液透析の患者は通常、週3回ほど通院し、1回4時間ほど透析を受けます。同じ患者と長くつきあい、継続した看護を行えることは魅力です。

一方、患者との関わりが密接な分、コミュニケーションや人間関係に神経を使うことが多くなります。医師や臨床工学技士、看護師同士の距離も近く、職場はアットホームな雰囲気な半面、人間関係がこじれるとストレスを起こしかねません。また、専門性を深めていける一方、透析においてのみ使う技術が多く、一般的な看護とは少し離れる面があります。将来、透析センター以外の転職も視野に入れている人は留意しておくといいでしょう。

透析センターで働く看護師のスキル・資格

透析センターでは透析に特化した業務になるため、専門的な知識と技術が求められます。すでに透析業務に携わっている人は、手始めに透析技能検定試験などを受験するとアピールになるでしょう。透析技能検定試験2級の受験資格は、看護師、准看護師、臨床工学技士で、透析実務経験1年以上(1級受験資格は、2級登録者で、透析実務経験5年以上)。さらにエキスパートとしてスキルアップを目指すなら、慢性腎臓病療養指導看護師(旧・透析療法指導看護師)や透析看護認定看護師などの資格があります。

透析センターで働く看護師が向いているタイプ

透析センターの看護師に向いているタイプ
血液透析は、「内シャント」という、透析用に造設された血管に針を刺して行います。この穿刺(さくし)が上手でないといけないため、手先が器用で患者が痛くないよう細心の注意が払える人がいいでしょう。また、透析は腎臓の機能を回復させるものではなく、腎臓の役割である余分な水分や塩分、老廃物の排泄を代行する治療法です。途中で腎移植を受けない限り、生涯続ける必要があります。こうした患者の心情をくみ取り、より添い、よりよい透析生活が送れるようケアしたい人に向いています。

ちなみに、透析に関する資格のひとつ、透析看護認定看護師は、日本看護協会が認定する12分野のうちの一つです。また、慢性腎臓病療養指導看護師(旧・透析療法指導看護師)は、日本腎不全学会が認定する資格です。いずれも認定要件がさまざまあり、誰もが簡単には取得できませんが、こうしたハイレベルな資格を目標に看護技術を熟練させていきたい人が活躍できるでしょう。