同じ看護師でもお仕事の内容は勤務先によって実にさまざま。今回は、総合病院の小児科に勤める看護師の吉田さん(仮名)にご協力いただき、そのお仕事内容や1日のスケジュールなどをじっくりお聞きしました。
あなたの就職先選びの参考にしてみてください。

吉田麻子さん(仮名)
勤務先:総合病院(小児科)
勤務歴:3年目

理論と実践が結びつく。実習での経験が私の道を決めた

実は私、高校の時まで看護師になろうとは全然思っていなかったんです。大学に進学する時、看護師である母に看護大学を勧められ、軽い気持ちで受験したのがこの道に進んだきっかけ。入学しても看護師になる気はなかったので、1~2年の時は正直いってつらかったですね。

でも、実習に行くようになってから、すごく楽しくなってきて(笑)。それまで机上で学んできたことと、目の前にいる患者さんの病態や症状が結びつくのが、興味深かったですね。

就職先に総合病院を選んだのは、さまざまな症例や最先端の医療に触れたいと思ったから。若いうちに大変なことを体験した方がいいと思ったし、いろんなことを経験しておいた方が、もし結婚・出産後に再就職する時、有利だろうという思いもありましたね。

気のぬけない毎日。子どもの笑顔が気持ちを癒してくれる

子どもが好きだったので小児科を希望していたのですが、最初の配属は産科。1年後、念願の小児科に異動になりました。 小児科に配属されてからは、小児科のCPUであるPICUで急性期の子どもの看護を半年間経験。今は一般病棟で、比較的重症度の低い0~3歳の子どもたちをケアしています。

最低でも1時間に1回のラウンドで子どもの状態を確認しつつ、食事、投薬、プレイルーム(遊び場)への誘導、お風呂、ご家族へのアドバイスまで、時間があっという間に過ぎていきます。

小児科は、薬の量の設定もすごく細かいし、食事一つとってみてもミルクの量を10cc単位で管理しなくてはなりません。1日の食事の回数も子どもによって違うなど、とてもデリケート。また、遊んでいるうちに点滴を抜いてしまったりする子どもや絆創膏を食べてしまったりする子どももいるけれど、それは私たちのミスになってしまう。子どもは自分で症状を伝えることができないので、機嫌や食事など、日常生活の観察も大切です。

気が抜けない仕事ですが、子どもの笑顔を見た時はうれしいし、やっぱりすごくかわいいなって思いますね。

仕事の手応えを直接感じられることが何よりもうれしい

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小児科の看護は、疾患に対するケアはもちろん、子どもたちの成長を促すケアや遊びを取り入れた関わりがとても大切。そういう部分はとても面白いと思いますね。

産科から小児科に異動したばかりの頃は、大人の看護と子どもの看護のギャップや「できない自分」に苦しんだこともあったけど、日々看護師という仕事と向き合い、一つひとつ乗り越えてきました。母にはずいぶん励まされましたけどね(笑)。今は、病棟の中で一人立ちして自分で考えて動けるようになりました。普通の会社だと、24歳くらいでこんな経験はなかなかできませんよね。これも看護師のやりがいの一つなのかもしれません。

入院したばかりの時は、泣いてばかりいた子どもがいつの間にかニコニコ笑いながらみんなと遊んでいる姿を見た時は、すごくうれしいし、子どもってホントにかわいい!

私がしたことが子どもたちの笑顔に結びつく。退院する時「ありがとう」と言ってもらえる。自分のケアの結果がダイレクトに見えることが、看護師という仕事の一番の魅力だと思います。

1日の勤務スケジュール(日勤)

graph0017:20~ 患者さんの情報整理
定時よりも早めに病棟に入って患者さんの情報を整理。ミルクの時間は何時か・何回か、離乳食は何を食べているか、ネブライザー(吸入器)にはどんな薬を使っているかなど、ケアに必要なことをすぐに確認できるよう、自分用のメモに転記します。

8:00~ 勤務時間開始、全体の申し送り
小児病棟全体の申し送りでは、PICUと一般病棟の現在の病床数や何人かの患者さんの病状の報告、インシデントが行われます。全体の申し送りにはリーダーとメンバー全員が参加します。

8:20~ ファーストラウンド
全体の申し送りが終わったら、メンバーはすぐにラウンドへ。患者さんの呼吸や睡眠状態、おむつなどをチェックして、ベッドサイドにある掲示記録に記入します。メンバーがラウンドしている間に、リーダー同士で患者さん一人ひとりの申し送りをします。

8:50~ 個別の申し送り
メンバーがラウンドから戻ったら、リーダーからメンバーへ、個別の患者さんの申し送りが行われます。患者さんの状態や気をつけるポイントなどを細かくチェック。ショートカンファレンスも行われます。

9:00~ ラウンド、食事、お風呂など
申し送りが終わったら、9:00のラウンド。ミルクや離乳食をあげたり、体重を測ったり、お風呂に入れたり、ネブライザーをかけたり、おむつを替えたり……。一つの病室に患者さんは6~7人。手早く、ていねいにケアします。

10:00~ プレイの時間、ラウンド、お風呂など
おもちゃがたくさん置いてあるプレイルームに子どもたちを移動させ、保育士さんに託します。子どもたちはプレイルームでおやつを食べたり、歌を歌ったり……。その間に私たちは、まだ遊べない子どもたちをお風呂に入れたり、ケアしたり。時間がある時は、プレイルームに行って一緒に遊ぶこともあるんですよ。

11:00~ 休憩
1番休憩は11:00~12:00、2番休憩は12:00~13:00。ちょっと時間がずれる時はあるけど、休憩は1時間きっちりとります。お昼は小児科病棟のみんなとわいわい楽しく食べています。話題はプライベートのことや仕事のこと。1時間があっという間に過ぎてしまいます。

12:00~ 申し送り、ラウンド、食事
2番休憩の人たちからの申し送りを聞いたら、子どもたちの昼食。2番休憩の人が戻るまでは、病室担当制ではなく、チーム制になり、みんなですべての病室をケア。「ラウンドします」「食事やります」「抗生剤やります」「ラウンド終わったので食事やります」など声をかけあいながら、テキパキ動きます。

13:00~ 申し送り、ラウンド、おむつ交換など
2番休憩の人が戻ったら、申し送りをして、また病室担当制にチェンジ。ラウンドをしたり、ミルクをあげたり、おむつを替えたり。午前中にある程度ケアができていれば、比較的落ち着いているので、時間をみて記録をつけることもあります。

14:00~ インアウトバランス管理、申し送りなど
インアウトバランス管理を締めたら、リーダーへ報告し、患者さん一人ひとりの状況を申し送りします。さらにリーダーは、メンバーからの申し送りを次のリーダーに申し送り。メンバーはラウンドして、患者さんの状況をチェックします。

15:00~ ご家族と会話
面会時間が始まると、患者さんのご家族がいらっしゃるので、何をして遊んでいたか、ミルクをよく飲んでいたか、夜は眠れているかなど、日常生活の様子をお話しします。ご家族の方は、どう過ごしているかをすごく気にしていますし、ケアする上で家族との情報交換はとても大切なんですよ。

16:30~ 勤務時間終了、残業して記録
準夜勤の人が病棟に来たら、日勤の私たちはひきあげます。昼に記録を終わらせていればすぐ帰れるけれど、そういうことはあまりないですね(笑)。記録を書いたり、モニターを確認したり。受け持ちを持っていると、アセスメントやプランの見直しなどに時間がかかることも。

17:00 業務終了
だいたい17:00くらいに終わることが多いけれど、忙しい時は18:00くらいになってしまうことも。今日も1日お疲れさまでした!

*写真はイメージです。

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