近年、厚生労働省は保育園に看護師の配置を促進するよう働きかけていることもあり、保育園の求人が増加傾向にあります。土日休みの求人が多く、夜勤はなく、残業もほとんどないため、子育てや家事と両立しやすい環境です。

ここでは、保育園で働く看護師の仕事内容、1日の流れ、平均給与、向いているタイプなどをご紹介します。

保育園で働く看護師の仕事・業務内容

近年、保育園の看護師需要が高まっています。これは、安心・安全な保育環境のためには医療の専門家がいたほうがいいという認識が広まっているためです。

保育園では、健康診断や歯科検診などを定期的に行うほか、健康状態に毎日気を配りながら保育をしています。こうした子どもたちの健康を守る責任を担っているのが看護師です。主な仕事は園児の健康管理で、随時クラスを回って健康状態をチェック。熱が出たり軽いケガをした場合は応急処置をし、必要に応じて保護者にお迎えの連絡を入れる判断をしたり、医療機関の受診にも付き添います。また、うがいや手洗い、歯磨きなど基本的な生活習慣の指導をはじめ、感染症や事故予防に関する保育士向けの研修を開催するなど、業務は多岐にわたっています。

保育園で働く看護師の1日のスケジュール(例)

■08:00 出勤
出勤後、園長先生以下、全職員で朝礼。病欠連絡の入った園児の確認をします。
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■08:30 健康チェック
園児たちが登園すると、各クラスを回って健康状態をチェックします。
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■09:30 おやつ
食前の手洗いから衛生状態を確認します。
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■10:30 ケガなどの対応
遊びの最中に転んだ子を診、かすり傷の手当をします。
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■11:30 給食
離乳食やご飯の食べ具合を保育士さんたちと一緒に確認します。
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■12:30 休憩
子どもたちが午睡の間、お昼ごはんをとり、休憩します。
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■14:00 保育業務の補助
必要に応じて各クラスに入り、おむつ交換やトイレトレーニング、散歩や外遊びなどを保育士さんと一緒にします。
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■15:00 歯磨き指導
午後のおやつのあと、年長さんのクラスで歯磨き指導を行います。虫歯菌を歯ブラシがやっつけるストーリー仕立てに、子どもたちは大喜び。
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■16:00 健康だより作成
保護者向けの健康だよりを作成します。
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■17:30 退勤
保護者のお迎えが一通り終わったら、今日の記録と明日の準備をして終了。

保育園で働く看護師の平均年収

保育園で働く看護師の平均給料
夜勤はなく、残業もそれほどありません。それだけに病院勤務に比べ年収は下がり、300~400万円と予想されています。とはいえ、夜勤や残業がほぼない割に年収は良いほうとも言われています。勤務時間については、延長保育を行っている保育所もあり終業時間はさまざまですから、事前に確認しておきましょう。また、公立の場合は各自治体の職員として採用されます。待遇面では安定していますが、自治体内での異動もあります。

保育園で働く看護師 メリット・デメリット

夜勤はなく、過度な残業もほとんどないため、子育てや家事と両立しやすい環境です。また、主な仕事は園児の健康管理のため、臨床の現場にいるような緊張感やプレッシャーをそれほど感じることなく、気持ち的にもゆとりをもって働けます。

半面、臨床から離れる寂しさや不安を感じることもあります。看護のスキルアップを目指すなら、その道から少し遠ざかることは覚悟したほうがいいでしょう。また、これまでは分からないことや疑問に思ったことは先輩や同僚に相談できましたが、保育園は基本的に看護師1名体制です。保育士さんと協働するものの、自分で判断し対応しなければいけない場面が数多くあります。さらにまた、保育園看護はまだ新しい分野のため、看護師の業務内容がまだよく認知されていません。最初、何をしたらいいか分からず戸惑うこともあるかもしれませんが、それだけに自分で仕事を創り出していく面白さがあると捉えることが大切です。

保育園で働く看護師のスキル・資格

看護師としてのこれまでの経歴など、応募条件はとくに指定がないケースが多いようですが、小児科経験者や保健師の資格保有者は強みとしてアピールできるでしょう。また、子どもとかかわる知識を身につける方法として保育士の勉強をするのもおすすめです。保育士資格は通信教育でも取得できます。子どもたちの心の問題を理解する姿勢を学べるチャイルドカウンセラーの資格もあります。

保育園で働く看護師が向いているタイプ

保育園の看護師に向いているタイプ
大前提は、子どもが好きなことです。また、保育園は働くお母さん・お父さんにとってなくてはならない存在ですから、保護者の味方となってサポートしたい人に向いています。

看護師としての就業年数や小児科経験は特に必要はなく、一定の臨床経験があれば仕事はできます。しかし、基本的に看護師は自分一人ですから、何かあった場合にきちんと対応できる力が必要となります。たとえば、感染症が発生したら?食物アレルギーの子が、原因となる食べ物を誤って食べてしまったら?いつ、何が起きるか分からないことを頭に置き、つねに備えを怠らず、どんな時も冷静に行動できる人が適しています。そのためには、ある程度臨床を経験し、現場で得た知識や技術の蓄積が必要です。

また、看護師であっても、保育士と同様の役割をする保育従事者として働くため、園によってはクラスを受け持ち、保育士の補佐業務をすることもあります。職種に垣根を設けず、どんな人にも心を開き、協力し合えることが大切なのはいうまでもありません。