同じ看護師でも、お仕事内容は勤務先によって実に様々。今回は、リハビリ医療系病院に勤める看護師の鈴木さん(仮名)にご協力いただき、そのお仕事内容や1日のスケジュールなどを直撃インタビューしてきました。
あなたの就職先選びの参考にしてみてください。
勤務先:H病院(リハビリテーション医療)
勤務歴:7年目
人の役に立つ仕事がしたかった
人の役に立つ仕事をしているやさしい人。それが小さいころに思い描いていた看護師のイメージ。ずっと看護師に憧れていたんです。高校卒業後の進路を決める時も、人の役に立ちたいと思って。
介護士も考えましたが、より高い専門性を身につけたいと考えて看護師を選びました。
就職の時に希望したのは、患者さんの生活を支えながらじっくりケアに取り組みたいということ。だから治療の場である急性期病棟への就職は全く考えませんでしたね。
友人のほとんどが学校の母体である大学病院に就職する中、自分で看護情報誌をめくって、今、勤めているリハビリテーション専門病院を見つけました。
時には1時間、患者さんの話を聞くことも
仕事は、病気や事故による後遺症で体に生活上の不自由が生じた患者さんに対して、自宅復帰に向けたリハビリテーションを行うこと。当院では、医師、そして理学療法士や作業療法士などのセラピスト、看護師がチームを組み、患者さん一人ひとりのリハビリテーション計画を立て、実施しています。
実際の機能訓練はセラピストが行い、看護師は点滴などの医療処置のほか、主に精神的なフォローを中心に担当します。
たとえば、脳梗塞などの後遺症でマヒや障害が残ったかたの中には、変わってしまった自分の体を受け入れられず、リハビリに前向きに取り組めないかたもいます。気持ちが沈んでいるなと感じたら、こちらから声をかけて話を聞きます。時にはベッドサイドに座って1時間、つらい思いにひたすら耳を傾けることもあります。
日に日に回復する姿を見るのが喜び
当院でのリハビリは前述の通りチームで担当しますが、患者さんのことを日常的にそばで見て、心身の状態を一番把握しているのは看護師です。ですから、訓練を担当するセラピストに対して、たとえば訓練しているやり方では食事を食べられていないようであれば、それを伝えて違う訓練を考えてもらうこともあります。
そうやってセラピストや、時には医師とも対等な立場で、どのようなリハビリを行えば患者さんの機能回復につながるかを検討できるので、とても働きやすいですね。
毎朝夕、寝間着と日中着を着替えていただく、毎食後、口腔ケアを行うなど、リハビリテーション専門病院ならではの決まりは、看護師にとっては負担が大きい部分もあります。しかしそうした一つ一つのケアが機能回復につながり、目も開かないような状態で入院したかたが、日に日によくなっていくのを見るのは本当にうれしい。
人間ってすごい、といつも思います。これからも、患者さんがその人らしく生活できるようお手伝いしていきたいですね。
1日の勤務スケジュール
日勤タイムスケジュール
7:30~ 出勤、電子カルテチェック
出勤。電子カルテをチェックし、担当患者さんの医療処置など、今日するべき仕事を確認し、仕事の段取りをイメージします。
8:30~ 申し送り、朝食介助、口腔ケア
夜勤担当者から担当患者さんの夜間の様子についての申し送りを受けます。これにより、日中、注意深く様子を見る、少し話をするなど、対応が必要な患者さんを把握します。
カンファレンスが終わったら、朝食を食べ終えていない患者さんの食事介助に入ります。口腔ケアは、リハビリの一環として毎食後行います。
9:00~ バイタルチェック、ナースコール対応、自主リハビリの見守りなど
患者さんのベッド周りを整え、バイタルチェックに回ります。その後は昼食前まで、必要に応じてトイレ介助をしたり、点滴をしたりします。
また、患者さんにはそれぞれセラピストから、たとえば階段昇降など自主的なリハビリメニューが出されています。その自主リハビリを、ほめたり励ましたりしながら見守ります。
11:30~ 昼食準備、経管栄養の準備
昼食準備、経管栄養の準備を行います。
12:00~ 休憩
交代で1時間、昼食の休憩を取ります。 この間は、病棟から呼ばれることはないのでしっかり休みます。
13:00~ 昼食介助、口腔ケア、トイレ介助など
昼食を食べ終えていない患者さんの食事介助に入り、食後には口腔ケアを行います。 自分で磨けるかたには歯ブラシを渡して磨いていただきますが、全員のケアを毎食後行うのはけっこうたいへん。
13:35~ 担当患者のカンファレンス
看護師、医師、セラピストから成るリハビリチームのカンファレンスは、担当する患者さん1人につき1ヵ月に1回行います。リーダーが前日からまとめておいた検討事項をここで確認。時間は20分と決めてあるので、手際よく議事進行することも大切です。このカンファレンスは1日で多くても3件まで。
14:45~ トイレ介助、自主リハビリの見守りなど
カンファレンスが終わったら病棟に戻り、トイレ介助や自主リハビリの見守りなどを行います。
日勤帯に担当している患者さんは8人。自主リハビリの見守り自体は1人10分程度ですが、8人分となるとけっこう時間を取られます。仕事の合間を見て、気になる患者さんと話をしに行くこともあります。
15:00~ 看護師のカンファレンス
看護師のカンファレンスでは、プライマリーで担当している3,4人の患者さんのケアについて困っていることなどを相談します。これも時間は20分。相談が途中でも時間が来たら切り上げます。
16:00~ 記録、申し送り、経管栄養の準備、自主リハビリの見守りなど
そろそろ日勤の終わりに近づき、書き漏らしがないよう看護記録を書き上げます。また、日勤帯のリーダーの手が空いているときに、担当患者さんの状態などについての申し送りをします。そのほか、経管栄養を準備したり、やり残していた自主リハビリを見守ったり。
17:30~ 勤務時間終了、残業して記録、カンファレンス用資料作成
日勤は17時30分で勤務終了。でも、そのまま残って、書き残していた記録を書き上げたり、翌日のカンファレンス用の資料をまとめたりすることが多いかも。
19:00~ 病院を出る
残業は、平均2時間程度。お疲れさま!
夜勤タイムスケジュール
16:00~ 出勤、電子カルテチェック
出勤。電子カルテをチェックし、担当患者さんの医療処置など、今日するべき仕事を確認し、仕事の段取りをイメージします。
17:00~ 申し送り、患者さんの状態を把握
日勤のリーダーから申し送りと受けたあと、病室を回り、自分自身の目で患者さんの状態を把握します。
17:10~ 夕食準備
昼食同様、基本的にはリハビリの一環として、全員、食堂で食事をします。そのため、食堂に患者さんを誘導するなど準備します。
18:10~ 夕食介助、服薬介助、口腔ケア
昼食同様、患者さんの食事介助に入り、食後には口腔ケアを行います。 自分で磨けるかたには歯ブラシを渡して磨いていただくようにして、この病院を出られてからもきちんと自分でできるように促しています。
19:00~ 着替え介助、トイレ介助
朝晩、寝間着と日中着を着替えてもらうのもリハビリの一環。自分でできない部分は介助しますが、できるだけ自分で着ていただきます。
21:00~ 服薬介助、点滴施行
民剤を服用しているかたの服薬介助をしたり、点滴をしたり。当院の消灯時間は23時と遅めです。
00:00~ 仮眠
夜勤の担当者は3人で、看護師1人とケアワーカー2人。交代で1時間半ずつ仮眠をとります。
1:00/3:00/5:00~ 巡回、ナースコール対応
夜間の定時巡回は2時間おきに、1時、3時、5時に行います。でも、トイレに行きたい、などナースコールで呼ばれることもしばしば。脳梗塞の影響などで尿意が曖昧なために、一晩に10何回もトイレに行きたいとコールする患者さんも。コール対応の合間には記録を書きます。
5:00~ 着替え、トイレ介助
早起きの患者さんは、5時頃から起き出してきます。ナースコールを受けて着替えやトイレの介助に回ります。
6:30~ 朝食準備
朝食の準備と、患者さんの食堂への移動をサポート。
7:30~ 朝食介助、服薬介助、口腔ケア
朝食を食べ終えていない患者さんの食事介助に入り、食後には口腔ケアを行います。
8:30~ 申し送り
患者さんの夜間の様子を日勤のリーダーに申し送りします。眠れない様子だった患者さんや感情が不安定だった患者さんなどについて伝えて、日勤帯でのケアに生かしてもらいます。
9:00~ 勤務終了、残業して記録
夜勤は9時00分で勤務終了。でも、そのまま残って、書き残していた記録を書き上げたりでぴったりにはあがらない場合が多いかも。
10:00~ 病院を出る
だいたい10時には業務を完全に終え、病院をでます。お疲れ様でした!
*写真はイメージです。
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