同じ看護師でもお仕事の内容は勤務先によって実にさまざま。今回は、郵便局勤務などを経て看護師に転身。現在は、総合病院の血液内科に勤める男性看護師・山田さん(仮名)にご協力いただき、そのお仕事内容や1日のスケジュールなどをじっくりお聞きしました。

山田一郎さん(仮名)
勤務先:総合病院(血液内科)
勤務歴:4年目

自分が本気で取り組める、やりがいのある仕事がしたかった

看護とはまったく関係のない専門学校を卒業した後、沖縄の郵便局に勤務していました。沖縄に行ったのはダイビングが好きだったから。動機が不純ですよね(笑)。でも、3年くらいたった時、このあと自分はどうなりたいんだろうと考え始めたんです。

東京に戻り、自分は何をしたいのかを模索していた時、看護師である姉の話を聞いたのが看護師をめざしたきっかけ。人の役に立つ仕事なら、自分が本気で取り組めるんじゃないかと思ったんです。また、看護師は収入もあるし、シフトはあるけど休みもある程度とれる。「仕事」として安定していることも魅力でしたね。

その後、派遣などで働きながら、ほとんど独学で勉強。27歳の時に看護学校に入学しました。看護学校での勉強はおもしろかったですね。今まで知らなかったことを教えてもらうってことが、新鮮で楽しくて。大人になってからする勉強はおもしろいということを実感しました。

抗がん剤の副作用の徴候を見逃さないために、あらゆる視点で患者さんを看る

今働いている病院は患者さんのほとんどが高齢者。急性白血病や骨髄異形症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などが多いため、化学療法(抗がん剤の投与)が主な治療法になります。

抗がん剤は強い薬ですから副作用が出やすく、その副作用も吐き気や便秘、痛み、むくみ、アレルギー反応など多種多様。その「徴候」を見逃さないよう、検温や血圧などのバイタルサインを見ることはもちろん、尿量、便、体重、身体のむくみや痛みなど、あらゆることをチェックします。また、抗がん剤は細胞毒性の強い薬のため、血管にうまく入らないと細胞が壊死してしまう。それを防ぐために、点滴中の確認も欠かせません。

副作用をなかなか訴えづらい患者さんもいらっしゃるので、看護師が「気づく」ことがとても大切なんです。 同じ科に男性看護師は一人だけ。女性の多い職場ですが、違和感は感じないですね。看護学校の時に同じような状況を経験しているし、慣れた部分もあると思います。

男性だから特別ということはあまりないですね。大きな人の搬送の時に「手伝って」と呼び止められるくらいかな(笑)。

患者さんの気持ちを感じ、不安や苦痛を緩和できる看護師でありたい

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看護師になったばかりの頃は、何もできない自分がすごく嫌で、正直、辞めたいと思ったこともあります。年齢が上だからという、変なプライドがあったのかもしれません。でも、がんばれば患者さんが「ありがとう」って言ってくれる。こんなに感謝される仕事って、なかなかないですよね。患者さんの言葉がやりがいになっているし、今まで続けてこられた原動力になっていると思います。

退院した後も外来の帰りに、わざわざ入院病棟に寄ってくれる方もいて、元気になった姿を見るのもうれしいですね。

ここに入院する方は重い疾患の方が多いので、最初は怖くて、不安で、心に壁を作ってしまう方も少なくありません。でも、だんだん心を許してくれるようになって「看護師さん」ではなく「山田さん」と名前で呼んでもらえるようになる。ドクターには言えないちょっとした不調も気軽に言ってくれるようになるのはうれしいですね。これからも、患者さんの気持ちを大切にしながら、ドクターと患者さんをつなげていきたいと思っています。

1日の勤務スケジュール

日勤タイムスケジュール

graph004_0018:00 出勤
タイムカードを押して、すばやく着替えたら病棟へ。

8:15 患者さんの情報収集
担当する患者さんは5人くらい。その日に行う検査や薬剤の処方など、ドクターからの指示が書かれた「指示簿」や、経過が細かく書かれた「看護記録」をチェックし、自分のメモに転記。その日のスケジュールをチェックします。

8:45 夜勤からの申し送り
日勤帯はAチーム4人、Bチーム4人の8人体制。全体の申し送りは5~10分くらいで行います。その後は点滴している患者さんのベッドサイドに移動し、患者さんの様子を見ながら個別の申し送りを受けます。

9:00 清拭・インアウトバランス管理・点滴の準備など
チームごとに役割を決め、患者さんの身体を拭いたり、点滴を作ったり。インアウトバランス管理の締めは10:00なので、この時間でチェック。動けない患者さんのおむつ交換や体位交換も行います。

10:00 バイタルチェック・点滴など
その日に担当する患者さんの体温や血圧を測ったり点滴を入れたり……忙しく動き回る時間。お風呂に入れる患者さんがいる場合は、入浴介助もします。ご高齢の方が多いので、入浴介助をする回数は他の病院より多いかもしれませんね。

11:30 昼休憩
同じチーム4人のうち、11:30~12:30まで2人、12:30~13:30まで2人、交代で休憩をとります。忙しい時は30分くらいでささっとお昼を食べて戻ることもありますが、できるだけ1時間きっちりお休みを取るようにしています。

14:00 カンファレンス・検査・点滴のチェックなど
カンファレンスが終わったら、患者さんを検査に送りだしたり、点滴をチェックしたり。ほんどの人が抗がん剤や抗生剤の点滴をしているため、こまめなチェックが欠かせません。1時間に1回以上はラウンドしていますね。時間を見ながら、申し送りの準備をします。

16:00 ロング日勤への申し送り
日勤には「日勤」と「ロング日勤」があり、日勤の2人がロング日勤2人に申し送りをします。日勤の定時は17:00ですが、看護記録の記入が残っていたり、急な検査や輸血が入ると18:00くらいまで残業することも。

17:00 バイタルチェック・おむつ交換・体位交換など
体温や血圧を測ります。動けない患者さんのおむつ交換や体位交換もこの時間に。だいたい30分くらいですべての患者さんをチェックします。

18:00 患者さんの夕食
夕食をお出しして、食事が終わったら食べ残しがないかをチェック。歩けない患者さんや動けない患者さんには、歯磨きの介助もします。

19:00 点滴の準備
夜や土日は調剤科の人手が少ないので、看護師が点滴を作ります。

21:10 勤務時間終了
時間ぴったりに「お疲れさま!」と笑顔で言えればいいのですが、看護記録が書き終わらずに残業することが多いですね。僕は考えないと文章が書けないので、どうしても時間がかかってしまいます。

22:00 業務終了
今日も一日お疲れさまでした!

夜勤タイムスケジュール

graph004_00220:00 出勤
タイムカードを押して、すばやく着替えたら病棟へ。

20:15 患者さんの情報収集
検査や薬剤の処方など、ドクターからの指示が書かれた「指示簿」や、経過が細かく書かれた「看護記録」をチェックし、自分のメモに転記します。

20:45 ロング日勤からの申し送り
夜勤帯の看護師は3人。全体の申し送りが終わったら、点滴している患者さんのベッドサイドに移動し、患者さんの様子を見ながら個別の申し送りを受けます。

21:30 消灯
患者さんが眠ったら、朝の薬の準備をしたり、看護記録を書いたり。一晩中点滴をつけている方もいるので、起こさないようにそーっと点滴を交換します。夜の休憩は2時間30分くらい。休憩中は、ほとんど仮眠をとって過ごします。

6:00 起床
朝の体温と血圧をチェック。バイタルチェックは朝食前までに終わらせます。

7:00 患者さんの朝食
朝食をお出しして、食事が終わったら食べ残しがないかをチェック。歩けない患者さんや動けない患者さんには、歯磨きの介助もします。

8:45 日勤への申し送り
申し送りをしたら、看護記録を仕上げます。

9:10 勤務時間終了
夜勤の時は、だいたい定時で帰ることができます。お疲れさまでした!

*写真はイメージです。

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