高齢者が可能な限り住み慣れた地域で生活できるように、「通い」を中心に、短期間の「宿泊」、高齢者宅への「訪問介護」を行う小規模多機能型居宅介護に、「訪問看護」をプラス。医療ケアが必要な人にも安心なサービス。

看護小規模多機能型居宅介護のサービス内容

1. 利用は事業所への登録制。4種類のサービを顔なじみのスタッフが提供するため安心

利用するにあたっては、看護小規模多機能型居宅介護事業所(1事業所あたりの登録定員数は29人以下)への登録が必要。
「通い」「宿泊」「訪問介護」「訪問看護」の4つのサービスを顔なじみのスタッフが担当してくれるため、環境の変化に敏感な認知症高齢者、がんの末期などで自宅での看取りを考えている場合などにも安心して利用できる。

2. 要介護1〜5の利用者ニーズに24時間365日対応

利用対象者は、要介護1〜5の認定者。
食事提供、入浴介助、レクリエーション、機能訓練などが中心となる「通い」のサービスは、全員が同じプログラムを行うのではなく、利用者個人に合わせた対応が可能。
「宿泊」「訪問介護」「訪問看護」サービスも、予約が必要な短期入所生活介護(ショートステイ)や訪問時間や回数が決まっている一般的な訪問介護や看護とは違い、利用者の健康状態や介護している家族の都合に合わせた緊急対応ができる。

3. 必要に応じて、4種類のサービスを自由に組み合わせられる

ウイークディの日中は、「通い」サービスで機能訓練や引きこもり予防を。週末は、家族が介護できない場合に「宿泊」サービスを利用。夜間に体調が急変した時は「訪問介護」や「訪問看護」サービスを利用するなど、利用者と家族の状況や希望によって、自由に組み合わせができる。

4. 4種類のサービスは、どれだけ利用しても月額定額制

通所介護、訪問看護、デイサービスなど、さまざまな介護サービスを組み合わせて利用すると介護保険利用限度額を超えてしまうことがあるのに対して、看護小規模多機能型居宅介護の場合は4種類のサービスをどれだけ利用しても月額定額制。

看護小規模多機能型居宅介護の利用注意点

●ケアプランの作成は、既存のケアマネジャー(介護支援専門員)には頼めなくなり、登録した看護小規模多機能型居宅介護事業所のケアマネジャーが担当する。
●通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション(デイケア)、短期入所生活介護・療養介護(ショートステイ)、訪問介護、訪問看護、訪問入浴などのサービスとは併用できない。
●看護小規模多機能型居宅介護は1事業所あたりの登録定員は29人以下で、「通い」は18人以下、「宿泊」は9人以下と定員が決まっている。そのため、希望日に利用できないことがある。
●利用料が月額定額制であるため、サービスの利用が少ないと割高になる。

看護小規模多機能型居宅介護の利用方法

看護小規模多機能型居宅介護の利用について、担当のケアマネジャーに相談をして、事業所を紹介してもらう。いくつか見学した後に、比較検討して登録する。登録した事業所のケアマネジャーにケアプランを作成してもらい、利用がスタートとなる。

看護小規模多機能型居宅介護の利用料

小規模多機能型居宅介護よりも「訪問看護」が加わる分、月額利用料は少し高くなる。また、利用者がサービスを行う事業所と同じ建物(有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅などの高齢者施設や住宅など)に居住している場合と、サービスを行う事業所とは違う建物(自宅など)に居住している場合では、月額利用料が若干変わる。

●看護小規模多機能型居宅介護(1ヵ月あたりの利用者負担)
要介護1 11,119円
要介護2 15,558円
要介護3 21,871円
要介護4 24,805円
要介護5 28,058円
*サービスを行う事業所と同じ建物(高齢者施設・住宅)に居住している利用者の場合

*上記の費用は、介護保険の自己負担が1割の場合。一定の所得がある場合は自己負担割合が2割になる。
*上記の費用は、1単位=10円で計算した場合。地域により金額は変動する。