通所介護(デイサービス)とは?

高齢者が可能な限り自宅で自立した生活を送れるように、日常生活の支援(食事や入浴)や生活機能の向上、心身機能の維持を目的としたレクリエーションや訓練などを通所施設(デイサービスセンターなど)で提供するサービス。送迎付きの日帰りのサービスで、利用者の引きこもりや孤立感の解消、認知症の予防、家族の介護負担軽減にも役立つ。

通所介護(デイサービス)のサービス内容

通所介護の特徴は、サービス内容が提供事業者によって異なるということ。そのため利用者は、自分が通いやすい場所や時間帯で、自分の体力や好みに合ったプログラムが用意されている施設を比較検討し、選ぶことができるというメリットがある。
1日利用のデイサービスでは、入浴と昼食、レクリエーションや趣味活動が組み込まれていることが多く、半日利用の場合は、機能訓練もしくは入浴をして、昼食、送迎というプログラムが一般的。

●1日利用(7時間以上9時間未満)プログラムの一例
9:00 送迎車で利用者の自宅へお迎え
10:00 施設到着後、健康チェック(体温、血圧などを測定)
10:30 入浴(入浴サービスを利用した場合は、1日約50円〜の入浴介助加算がプラス)
12:00 昼食(自己負担)
13:00 アクティビティ活動(フラワーアレンジメントや手芸などにかかる材料費は自己負担)
機能訓練(機器による機能訓練をした場合は、個別機能訓練加算がプラス)
15:00 ティータイム(おやつ代は自己負担)
15:30 レクリエーション(カラオケ、ゲーム、囲碁、将棋など、施設によって異なる)
16:30 送迎車で利用者の自宅に到着

●半日利用(3時間以上5時間未満で、午後からの利用もある)プログラムの一例
9:00 送迎車で利用者の自宅へお迎え
10:00 施設到着後、健康チェック(体温、血圧などを測定)
10:30 機能訓練(機器による機能訓練をした場合は、個別機能訓練加算がプラス)
12:00 昼食(自己負担)
13:00 送迎車で利用者の自宅に到着

通所介護(デイサービス)利用の流れ

1.担当のケアマネジャーに相談をする

外出する機会を増やして孤立を防ぎたい、デイサービスを利用することで家族が介護を休める時間を作りたいなど、利用者とその家族が要望を伝え、デイサービスの利用を検討する。

2.希望に合う施設かどうか見学に行く

利用できそうなデイサービスの施設をケアマネジャーに紹介してもらい、できれば見学に行き、比較検討する。

3.ケアプランを作成し、利用開始

利用したい施設、利用したいサービス、利用頻度などを決める。ケアマネジャー、サービス提供事業者と話し合いをし、ケアプランを作成し、契約後、利用開始。

通所介護(デイサービス)の利用負担の計算式

通所介護(デイサービス)のサービス提供費用は、利用者の要介護度、利用する施設の規模(前年度の1ヵ月あたりの平均利用延べ人数により算定)、利用時間によって決まる。さらに、食費やレクの材料費実費分、各種加算を加えたものが、1回当りの利用負担目安となる。

<通所介護サービス提供費用が、変動する要素>

要介護度 要介護1〜5
施設の規模 ●小規模(月平均の利用者が〜300人)
●通常規模(月平均300人超750人以下)
●大規模Ⅰ(月平均750人超900人以下)
●大規模Ⅱ(月平均900人超)
利用時間 ●3時間以上5時間未満
●5時間以上7時間未満
●7時間以上9時間未満

<通所介護サービスにかかる1日あたり費用の計算式>
通所介護サービス提供費用 + 食費 + レクの材料費などの実費 + その他加算* = 1日あたりの費用

*その他加算の詳細
●個別機能訓練加算   46円/日
●入浴介助加算     50円/日
●栄養改善加算     150円/日
●口腔機能向上加算   150円/日
●若年性認知症ケア加算 60円/日
*上記の費用は、介護保険の自己負担が1割の場合。一定の所得がある場合は自己負担割合が2割になる。

通所介護(デイサービス)の利用負担の目安 <通所介護サービス提供費用>

要介護1〜5の場合、デイサービスを1回利用するごとに1日あたりの料金が発生。ケアプラン上では週に2日の利用となっていても、体調を崩してデイサービスが利用できない場合は、料金が発生しない。

(1)小規模型 通所介護施設を利用した場合(1日あたり)

要介護度 3~5時間未満の利用 5~7時間未満の利用 7~9時間未満の利用
要介護1 426円/日 641円/日
735円/日
要介護2 488円/日 757円/日 868円/日
要介護3 552円/日 614円/日 678円/日
要介護4 614円/日 990円/日 1,144円/日
要介護5 678円/日 1,107円/日 1,281円/日

(2)通常規模型 通所介護施設を利用した場合(1日あたり)

要介護度 3~5時間未満の利用 5~7時間未満の利用 7~9時間未満の利用
要介護1 380円/日 572円/日 656円/日
要介護2 436円/日 676円/日 775円/日
要介護3 493円/日 780円/日 898円/日
要介護4 548円/日 884円/日 1,021円/日
要介護5 605円/日 988円/日 1,144円/日

(3)大規模(Ⅱ)型 通所介護施設を利用した場合(1日あたり)

要介護度 3~5時間未満の利用 5~7時間未満の利用 7~9時間未満の利用
要介護1 364円/日 547円/日 628円/日
要介護2 417円/日 647円/日 742円/日
要介護3 472円/日 746円/日 859円/日
要介護4 524円/日 846円/日 977円/日
要介護5 576円/日 946円/日 1,095円/日

*上記の費用の他、食費、アクティビティにかかる材料費などは自己負担。入浴サービスや栄養改善サービス、口腔機能向上サービスなどを利用した場合は、加算がされる。また、サービス時間が延長された場合も加算がある。
*上記の費用は、介護保険の自己負担が1割の場合。一定の所得がある場合は自己負担割合が2割になる。

介護予防通所介護(要支援1、2の方)の利用負担の目安

基本的に、要支援1と認定された場合は週1回、要支援2と認定された場合は週2回、デイサービスの利用が可能。利用料金は月額で決まっており、体調を崩してデイサービスを月に1、2回休んだとしても、料金は変わらない。

要介護度 週1回程度利用 週2回程度利用
要支援1 1,647円/月
要支援2 1,647円/月 3,377円/日

このほかに、希望する場合は、以下の選択サービスが利用可能。

選択サービス(月額料金/要支援1,2とも同額)
生活機能向上グループ活動加算 100円
運動器機能向上加算 225円
栄養改善加算 150円
口腔機能向上加算 150円

<介護予防通所介護サービスにかかる費用の計算式>
介護予防通所介護サービス提供費用 + 選択サービスなどの加算 + 食費 + レクの材料費などの実費=月あたりの費用

*「入浴サービス」の費用は共通サービスに含まれるが、上記の表に記した選択サービスを利用した場合は、加算がある。また、サービス時間が延長された場合も加算がある。
*上記の費用は、介護保険の自己負担が1割の場合。一定の所得がある場合は自己負担割合が2割になる。

●「介護保険制度」のそのほかの説明を見る

→ 要介護・要支援認定とは?

→ 利用できるサービス・施設の種類とは?

→ 利用者が負担する費用とは?

→ 訪問介護とは?

→ 訪問入浴介護とは?