昨年、所属病棟の副主任になったY・Sさん。プリセプターのまとめ役として、教育指導を指揮するのが主な任務です。
叱って仕事を覚えさせるのは昔のやり方。一人ひとりをきめ細かくサポートしながら、知識や経験の足りないところを教えていく難しさを感じながらも、組織の中間にいて、人材育成の役割を果たす管理業務で自分をさらに成長させていこうと考えています。

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Y・Sさん(35歳)のプロフィール

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●看護業界歴…15年

●看護の仕事に就く前…看護専門学校

●転職回数…2回

●現在の勤務先…総合病院

●いままでの勤務先…総合病院(外科、整形科)、総合病院(ICU)、総合病院(ICU、整形外科)

●保有資格…准看護師、正看護師

いまの時代に合った教育指導の方法を模索中

昨年、整形外科病棟の副主任となり、中間管理職としての業務が加わりました。
主な任務は教育指導ですが、これが大変で・・・。というのは、僕たちの世代が育てられてきた頃とは、人材育成の方法が変わってきたためです。

僕たちの世代は、叱られたり怒られたり、厳しく教え込まれるのが当たり前でした。でも、いまはそんなやり方では誰もついてきません。
たとえば、昔は課題や宿題をたくさん出され、自分で勉強することも多かったですよね? いまはそれもあまり喜ばれないというか、厳しく感じて辞めてしまう人もいるんですね。

現場で先輩の仕事ぶりを見ながら学んでいくというのも、もう昔流なのかな? いまは、全部教えてあげないといけない。新人の教育指導にあたるプリセプターの役割が大きくなっていて、プリセプターの教え方にも気を配らないといけません。
病院や診療科によっても違いますけど、自己啓発を促すというより、懇切丁寧に教えて育てる時代になっているのは確かです。

そもそも僕は、人を怒ったり叱りつけるタイプではありません。ガミガミ言ったとしても、言われた本人だけでなく、周りもあまりよい思いはしないと思うので、口うるさくならないように気をつけてもいます。
ただ、上に立つ者に厳しさに欠けると、何かが抜け落ちたりしますから、そこも注意しないといけない。そのバランスというかコツはまだよくわからなくて・・・。

とにかくいまは、メンバー一人ひとりを見ながら、自ら学ぶ姿勢を教えつつ、いかにうまく勉強させていけるか、僕自身の勉強の時間だと思っています。

与えられた責任を果たしながらステップアップ

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看護師になって15年。僕はいまだに、看護師で本当によかったのか、他の仕事もあったんじゃないかと、振り返ることがよくあります。

自分が関わることで、患者さんやご家族から「ありがとう」と言ってもらえ、感謝されるのは嬉しいし、やりがいは感じています。
でも、看護師が自分の天職かというと、そうは思えない。だから、もし他の職業の可能性があるなら、思い切って飛び込んでもみたい。いまさら会社員になるつもりも、そんな勇気もありませんけど(笑)、一般企業でどこまで自分の力が通用するか、試してみたい気もあります。

そんなことを考えながらもここまで看護師を続け、今後もやり遂げていくつもりなのは、そのつどそのつど与えられた責任をまっとうしながら、自分を成長させてこられたからだと思います。

同じ病院に長く勤務していると、委員会の仕事であったり、中間管理職になる話が出てきて、そういうのはできれば避けたいと考える人もいると思います。
臨床の現場にいて、患者さんと触れ合っていたい。管理職の仕事は得意ではない・・・。理由はいろいろあると思いますが、それでひとつの病院に長くいないように転職する人もいますよね。

僕は管理職をめざしていたわけではなく、いまの病院に腰を落ち着けていた結果、5年目に副主任という役割が与えられました。資質があるかどうかはわかりませんが、責任が上がっていくことも、業務がその分増えて大変になることも全然苦ではありません。

むしろ、管理の仕事にやりがいをもって働きたいし、これから管理職として自分を伸ばしていきたい。
メンバーを教え、導き、成長する機会をつくっていくためにやるべきことは何で、みんなが力を発揮できる職場作りのために自分はどんな力を身に着けていかなければいけないか・・・病院だけでなく、他業種の人材育成や人材登用の制度なども勉強しながら、キャリアアップしていくつもりです。

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