看護師として働くうちに、収入やスキル、プライベートの時間など、人生の優先順位が変わることがあります。しかし、夜勤があるために思い通りのライフスタイルが送れない、どこか無理をしながら働いているという人もいるのではないでしょうか。実は、「看護師に夜勤はつきもの」という思いこみを取り払うだけで、いろいろな職場が見つかります。
ここでは、そんな日勤のみの働き方についてご紹介。「ぶっちゃけお給料はどうなの?」「デメリットもあるんでしょ?」という疑問にもお答えします。

日勤のみの職場の種類と仕事内容

看護師のイメージとして真っ先に浮かぶのは、病棟で日勤と夜勤をこなす姿でしょう。でも実は、看護師が活躍する場は病院だけではなく、多様な選択肢があります。その中には夜勤のない「日勤のみ」という職場も数多くあります。その中で代表的なものをご紹介します。ご自分に合った働き方ができる場所を探してみてください。

クリニック

仕事は、医師の診療補助が中心です。問診、バイタルの測定、検査の補助など。一般的にクリニックは入院施設がなく、外来診療のみ。そのため夜勤はありません。ただし、会社員が勤務後に訪れやすいように、診療時間を夜までとしているところもあります。ほとんどが完全週休2日制で、多くの場合、日曜祝日はお休みです。
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病院

外来
受診の受付や診療補助が主な仕事ですが、患者からの聞き取りを的確な判断で診療へつなげる役割も。夜勤はなく、診察時間が決まっているほか、予約制の診療を行っているところも多いので、残業もほとんどありません。基本的に土日休など、休日が固定されています。
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手術室
術前の患者説明から術中の機械出し、術後の申し送りなど、手術全般をカバーしながら円滑な進行をサポートします。緊急手術を受け付ける病院以外は、基本的に夜勤なし、休日固定で働ける仕事です。
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透析センター
透析前のバイタル測定から、透析中の観察、終了後の止血、バイタルチェックまで一連の作業を行います。透析に特化した専門的な知識と機械操作の技術が求められる仕事です。基本的に夜勤はありません。
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病棟(日勤)
病棟看護師といえば、「二交代、三交代制で夜勤は当然」と思うかもしれませんが、実は探してみると「日勤のみ」の求人も意外と見つかります。夜勤帯には夜勤専従看護師を入れることでカバーし、日勤帯のみの看護師を補充することで、シフトに余裕をもたせようという病院が増えています。
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介護施設

デイサービス
介護施設の中でも、デイサービスは通所型と呼ばれるもので、入居施設ではありません。そのため、日勤のみとなります。食事や入浴などの生活介助を行う介護士の補助をはじめ、利用者の健康管理や服薬管理、口腔ケアなどが主な業務です。
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訪問看護ステーション
利用者の家に出かけていき、在宅で看護をする仕事。健康状態を確認し、主治医が作成した指示書に基づいた医療処置を行います。1回の訪問はだいたい30分~1時間程度。一日の訪問数も決まっているので拘束時間が短く、日勤のみの仕事がメインです。
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その他

保育園
園児の健康状態をチェックするのが主な仕事。保護者への衛生指導も行います。残業もほとんどありません。
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企業の医務室
一般企業の医務室に勤務し、訪れる社員の健康状態をチェックしたり、服薬管理や指導を行うのが主な仕事。企業の就業時間に合わせた勤務となり、基本的に日勤のみです。
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日勤のみの場合の平均給料

日勤のみで働く看護師の平均年収は、400万円前後です。
一般的に病院勤務の看護師の平均年収は450万円~500万円と言われていますので、50万円~100万円程度低いことがわかります。
この50万円~100万円の差というのが、いわば「夜勤なし」によって減った分。「夜勤があるかないかで、そんなに変わるの?」と驚くかもしれませんが、実は看護師の収入における夜勤手当の割合は大きいのです。

日本看護協会「2019年病院看護実態調査」によると、1回あたりの夜勤手当は以下のとおりとなっています。
・二交代制:夜勤の手当額/11,026円
・三交代制:準夜勤の平均手当額/4,141円
・三交代制:深夜勤の平均手当額/5,033円

同じ調査で、夜勤回数は二交代制で平均4.7回、三交代制で月に平均7.6回という結果が出ています。この数値をそのまま当てはめれば、平均的な夜勤をこなす人に比べ、3万~5万円ほどの収入減になります。さらに夜勤をすると、夜勤手当のほかに深夜割増賃金というものが別途支給されるのですが、日勤のみだと、それもなし。したがって、夜勤ありか夜勤なしかでは、年間にすると50万円~100万円の差が出ることになります。

これまで夜勤を精力的にこなしてきた人が、日勤のみの職場に転職を検討する場合は、あらかじめ収入の減り幅を想定しておきましょう。そのうえで、自分が何を優先したいのか、どの程度の収入減まで許容できるのかなど、しっかり検討してください。

日勤のみの仕事のメリットとデメリット

日勤のみで働くメリット

体調管理がしやすい
夜勤アリの場合に比べ、規則正しく働けるため、生活リズムが安定することが大きなメリット。疲労をためにくく、体内リズムを崩さずに無理なく働くことができます。

プライベートの充実がしやすい
土日・祝日が休みという職場が多いので、予定が立てやすく、子どもの行事に参加したり趣味の時間を大切にするなど、プライベートを充実させることができます。

家庭と仕事が両立できる
子育てや家庭と仕事を両立したい人にとっては、夜間に家を空けずに済む働き方は大きな魅力です。たとえば訪問看護のように、週2日だけとか、午前中だけといった勤務も可能なので、家庭の事情に合わせた柔軟な働き方ができます。

稼働する人数が多い
少ない人数で担当する夜勤に比べ、病棟の日勤帯は勤務する看護師の人数が多いことが特徴です。看護師同士でフォローし合えるので気持ちに余裕があり、ブランク明けなどの人でも働きやすい仕事です。

日勤のみで働くデメリット

夜勤手当がなくなるため、収入がダウンする
日勤のみの看護師の平均年収の欄でも触れましたが、夜勤手当がついていたときに比べると、年間で50万円~100万円の手取りが減る可能性もあります。

スキルアップしにくい
体力的にきつい夜勤ですが、反面、やりがいもあります。少ない人数で急患や急変に対応することによって培われるスキルも大きいのです。そのため、日勤のみでストレスのない職場を選ぶことは、そのデメリットとして、看護師として成長しづらい、という面があることも覚えておきましょう。人によっては、やりがいを感じにくいというデメリットもあるかもしれません。

日勤のみの仕事を選んでいる人ってこういう人

日勤のみの働き方のメリット、デメリットを踏まえ、どういう人が日勤のみの仕事を選んでいるのでしょうか?
日勤のみの働き方に向いている人は、次のような人たちです。

規則正しい生活で、しっかり体調管理をしたい人

夜勤の三交代シフトで十分な睡眠がとれず、疲れが取れないうちに次のシフトへ、ということが繰り返されると、体力的にも精神的にも削られていきます。そんな人には、規則正しい生活ができる日勤のみの仕事がおすすめです。

ブランクを経て、現場に復帰したい人

ブランクがあって、体力面でも、看護スキルの面でも、いきなり夜勤アリの職場で働く自信がないという人も多いと思います。そんな人には、日勤のみの仕事で復帰してみるというのがおすすめ。看護業務にも慣れてきたところで、夜勤ありの仕事への転職を再度検討するのも良いのではないでしょうか。

夜間は働けない人

子育て中、あるいは介護をしていて、夜間は家を空けたくないという人でも無理なく働けるのが、日勤のみの仕事です。

プライベートを充実させたい人

看護師の仕事に集中するためにも、オンとオフをしっかり切り替え、プライベートの時間を充実させることも大切です。夜勤をしながらだと、趣味を楽しめない、家族や友人との時間が足りないという人は、日勤のみの仕事を選択するのも良いでしょう。

日勤のみを希望する場合に使える志望動機例文集

子育てを優先するため、日勤の内科を希望する人のケース

現在、総合病院で内科を担当しています。病棟勤務を経て、育休後は外来に移動しました。高齢の方が多い病棟、子どもから高齢者まで幅広い年齢層が来院する外来の2つの現場を知っているので、その場に応じた適切な対応をとることができると思います。いまは子育てを優先したいので日勤だけの勤務となりますが、豊富な経験を活かし貴院に貢献したいです。

夜勤がないクリニックで働きたい人のケース

年齢的に夜勤がきつくなってきたことから、日勤での勤務を希望しています。生まれ育った街に貢献したいという思いもあり、長年地域の人々に親しまれる貴クリニックで働きたいと考えました。前職では主に外来を担当。小児科・内科・外科・整形外科の経験があるため、複数の診療科を掲げる貴クリニックでもお役に立てると思います。

人員にゆとりがある有料老人ホームの日勤で働きたい人のケース

勤務体制に余裕があり、私生活も充実させられれば、仕事にも還元できるというのが私の考えです。そのため、人員にゆとりある貴施設の日勤を希望しています。今はグループホームに勤務しているので、認知症の方の対応には慣れており、想定外の行動にも適切な対応が可能です。日勤で気持ちにゆとりができる分、利用者様にはいつも笑顔で接したいと思います。

介護老人保健施設で、夫婦の時間も大切にできる日勤で働きたい人のケース

結婚を控えているため、夫婦の時間を大切にできる日勤での勤務を志望しています。現在、リハビリテーション科に勤務。高齢の患者様の中には、リハビリに意欲を持てない方もいらっしゃいますが、作業療法士らとともに考えたレクリエーションを取り入れたリハビリは楽しいと好評で、効果を出すこともできました。貴施設でも利用者様が無理なくできるリハビリに取り組みたいと思います。

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