病院やクリニックの外来部門の多くが日勤での勤務となるため、家庭との両立がしやすく、その時々のライフスタイルに合わせてキャリアをつなげていくことができます。

ここでは、外来で働く看護師の仕事内容、1日の流れ、平均給与、向いているタイプなどをご紹介します。

外来看護師の仕事・業務内容

外来の診療科は単一のところもあり、規模の大きい総合病院などでは細かい診療科に分かれています。いずれの場合でも、さまざまな疾患や年齢、職業の人が通院しているのが、病院やクリニックの外来です。

現在は、糖尿病や高血圧などの慢性疾患が増え、病気を持ちながら地域で生活している人が増えています。また、日常生活の中で症状が急に悪化する可能性のある在宅療養患者もいれば、診察の結果、検査や手術、入院が必要になる人も。
このように、受ける医療はさまざまですが、患者にとって外来は、自分の身体のことを伝え、健康だと感じる生活を送ることが困難であることを話す場です。そこで看護師は、患者が来院すると体調や自宅での様子を聞きます。必要に応じて医師に報告し、必要な検査や治療内容を確認し、診療がスムーズに行われるようにします。

外来で働く看護師の業務は、受診受付、診療の補助、患者・家族のケアなど。幅広い知識を持ち、個々の患者の状況を的確に判断して診療へとつなげていくのが役割です。

外来看護師の1日のスケジュール(例)

<2交代勤務、日勤帯の場合>
■08:30 出勤・業務準備
その日の外来の予約状況を確認し、カルテや検査記録を用意。診察室や処置室の準備をします。
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■09:00 午前診察
医師の診察介助や、採血や注射などの処置を行います。
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■13:00 昼食
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■14:00 午後診察
午前中と同様、診察介助や外来検査の介助をします。診察の結果、入院や手術が必要になった患者には、入院手続きなどの案内をします。
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■16:30 片付け・翌日の準備
診察室と処置室の環境整備をし、消耗品の補充など翌日の準備をします。
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■17:30 退勤

外来看護師の平均年収

外来看護師の平均年収
外来で働く看護師の平均年収は400万円前後。病棟看護師の平均年収より50~100万円近く差があります。
病棟看護師の年収より低くなるのは、夜勤がないためです。夜勤手当分の差がつきますが、日勤で土日祝日休みというところが多いなど、ワークライフバランスを大切にしたい人にとっては働きやすい環境といえます。

外来看護師 メリット・デメリット

外来看護師は完全週休2日制で固定休みのケースが多く、基本的に夜勤もありません。子育て中であったり、家族の介護をされている場合などでも仕事を続けやすいことがメリットです。
また、ベッドや車椅子への移乗介助やトイレ介助といった、腰をかがめたり、力のいる仕事はありません。病棟と比較して重労働でないことも魅力のひとつです。

一方、夜勤がない分、給与はやや低めになるほか、一人ひとりの患者と接する時間が少なく、関係性も比較的浅くなりがちです。受診受付や電話対応など事務的業務も多く、療養相談・指導に十分な時間をかけられないことも課題となっています。患者と深く関わり、信頼される関係性を築くことにやりがいを感じる人にとっては、少し物足りない面があるかもしれません。

外来看護師のスキル・資格

外来で働く看護師には、個々の患者の状況を的確に判断したうえで、医師の診療の補助、患者・家族へのケアをタイムリーに行う能力が求められています。それぞれの診療科によって役割に多少の違いはあったとしても、どの科においても、このスキルを身につけていくことが基本であり、目標となるでしょう。

特定の専門知識をインプットしたい場合は、外科なら外科と決め、同じ診療科を選んで転職するのも方法です。また、近年は外来でも内視鏡検査や日帰り手術、がんの化学療法や放射線療法などを行うようになっています。そうした病院やクリニックを選び、専門的な知識と技術を鍛えていくのもいいでしょう。

外来看護師が向いているタイプ

外来看護師に向いているタイプ
外来は、ワークライフバランスを大切にしながら看護師として働き続けたい人に最適です。出産や育児で現場を一時退いたのち復職する場合にも適しています。

夜勤がないことなどから、比較的ラクな職場と思われがちですが、日々多くの患者が診察に来られ、仕事量も多く、同時進行でいろいろな業務をこなさなければいけません。そのため、テキパキとスピード感をもって仕事をこなせる人に向いています。
また、在宅酸素療法患者やストーマ(人口肛門、人工膀胱)造設患者など、器具・装置を用いた医療処置が必要な患者に対しては、患者と家族への支援や指導を行います。不安を持ちながら生活や仕事を続ける人の心情を理解し、やさしくケアできる人がよいでしょう。