ナースにおすすめの資格をご紹介。キャリアアップのための看護の専門資格から、福祉や癒しの世界へ飛び込む資格など、さまざまな種類があります。新しい目標が見つかるかも!
今回は「栄養サポートチーム専門療法士」です。

栄養サポートチーム専門療法士とは、どんな資格?

栄養サポートチーム専門療法士とは、患者の症状や状況に合わせて栄養管理を行うエキスパートのこと。NST専門療法士とも呼ばれ、主として静脈栄養・経腸栄養を用いた臨床栄養学に関する優れた知識と技能を持っていることを、日本静脈経腸栄養学会が認定する資格です。

静脈栄養は、点滴やカテーテルでの輸液療法。経腸栄養は、胃ろうや腸ろうなど、胃や十二指腸、小腸などに栄養剤を投与する療法。栄養サポートチーム専門療法士は、こうした栄養療法の管理を行いながら患者の栄養状態を維持し、病気からの回復をサポートします。

栄養サポートチームという名称通り、看護師や管理栄養士、薬剤師など、職種を超えてチームを組んで行います。その一員として、看護師には、患者一人ひとりの症状を把握し、情報をチームに的確に伝える役割が求められています。また、口から普通に食べられるための支援も行うなど、さまざまな役割を担っています。

どんな人に向いている?

病気や認知症、嚥下障害などによって、口から食事をとれない患者の栄養状態を維持し、病気からの順調な回復を願って業務に取り組んでいる人におすすめの資格です。
また、栄養サポートチーム専門療法士は、職種の違う人たちとのチームプレイで栄養管理を行います。協調性やコミュニケーション能力はもちろん、患者の症状や体調の変化をチームにきちんと報告できる人に向いています。

どんな場所で活かせる?

栄養サポートチーム(NST)は、海外ではすでに広く普及しています。日本では2006年に診療報酬が改定され、栄養管理実務加算が新設されて以降、NSTを設置する病院や福祉施設が増えつつあります。今後、栄養サポートの重要性が認識されていくにつれ、有資格者の活躍の場はさらに広がっていくでしょう。
NSTを編成していない場合でも、静脈栄養や経腸栄養に関する専門知識は日々の看護業務に活かすことができ、キャリアアップや転職にも役立ちます。

どうしたら資格がとれる?

栄養サポートチーム専門療法士の認定を申請できるのは、以下の国家資格保有者です。

歯科医師、管理栄養士、看護師、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士

これに加え、以下の条件をすべて満たす必要があります。

(1)5年以上、医療・福祉施設に勤務し、栄養サポートに関する業務に従事した経験があること。
(2)日本静脈経腸栄養学会の学術集会と、同学会主催の臨床栄養セミナーに、それぞれ1回以上参加すること。
(3)同会認定の教育施設で合計40時間の実地修練を修了していること。

* (2)の必須単位数など、詳細は、日本静脈経腸栄養学会のホームページを参照

そのうえで、認定試験に合格すれば資格を取得できます。

資格取得のための教育や講習の内容・期間

日本静脈経腸栄養学会の学術集会と臨床栄養セミナーについては、年度ごとに開催日時等が発表されます。同会のホームページで確認してください。また、40時間の実地訓練を受けられる認定教育施設の一覧も同会ホームページに掲載されています。
2016年11月時点で、認定教育施設は全国439施設。研修プログラムの内容や受講料は各病院によって大幅に異なりますが、一例を挙げると、期間はだいたい10日間、費用は2~3万円ほどです。

資格試験の内容や合格率

試験は毎年11月頃に行われます。合格率は年度により差がありますが、70%前後です。
なお、資格の有効期間は5年間。5年ごとに更新が必要です。

*ほかにも、スキルアップのための看護・医療系の資格をご紹介 → 看護・医療系の資格

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