毎回、最新の看護や医療の最新情報を発信していくこのコーナー。
今回のテーマは「認定看護師」についてです。

「認定看護師」とは?

今後、ますます加速する少子超高齢社会。病気を抱えながら生活する高齢者が増えることは避けられません。これまで以上に、安心、安全かつ効果的な医療・看護を効率的に提供することがさらに求められてきます。「治療」と「生活」の両面から患者を捉え、身体と心の状態の変化を予測しながら必要なケアを提供する看護職への期待は、ますます大きくなっていきます。

高齢者や長期療養者に対する看護には、医療の提供だけでなく生活の支援を行ったり、重症化予防・介護予防などの予防の役割が一段と求められます。それぞれの看護分野の専門性を発揮して、高齢者の健康や長期療養者の生活をサポートするのが認定看護師です。

「認定看護師」になるには

認定看護師とは、高度化し専門分化が進む医療の現場において、水準の高い看護を実践できると認められた看護師です。看護師として5年以上の実践経験を持ち、615時間以上の認定看護師教育を修め、認定審査に合格することで取得できる資格です。

現在、21分野の認定看護分野があり、認定審査と5年ごとの認定更新を行っています。2016年度の認定審査は全分野で、1,765人が受験し、1,626人が認定され、全国で認定看護師は1万7,443人となりました。

◆高齢者・家族を取り巻く健康問題とそれを支える認定看護師21分野
*生活機能の障害
・脳卒中リハビリテーション看護 ・摂食・嚥下障害看護 ・皮膚 ・排泄ケア

*がん
・がん放射線療法看護 ・がん化学療法看護 ・がん性疼痛看護 ・乳がん看護 ・緩和ケア

*慢性疾患
・透析看護 ・糖尿病看護 ・慢性心不全看護 ・慢性呼吸器疾患看護

*認知症
・認知症看護

*在宅・地域での療養
・訪問看護

*急激な容体変化の発生
・救急看護 ・集中ケア

*手術を受ける
・手術看護

*感染予防
・感染管理

*上記以外に認定分野として、不妊症看護、新生児集中ケア、小児救急看護があります。

image003

看護の活動の場で

認定看護師は、患者・家族によりよい看護を提供できるよう、認定看護師の3つの役割「実践・指導・相談」を専門分野の知識に基づき判断し、実践していきます。

また、ほかの看護師へのお手本となるように専門知識を活かし、看護技術などの指導を行ったり、看護の現場で起きた問題や疑問の相談に乗ったり、改善策を導きだせるよう支援する活動を行っています。

*認定看護師 21分野1万7,443人に(公益社団法人日本看護協会)

*「認定看護師」の資格の取得方法はこちら→【認定看護師】~看護師のスキルアップ資格