男性看護師の方で転職にお悩みの方は多いのではないでしょうか。圧倒的に女性が多い看護業界の中で、なかなか転職に踏み切れない方もいらっしゃると思います。
男性看護師のニーズは年々高まっていますので、キャリアアップを狙うチャンスでもあります。
ここでは、男性看護師の割合、平均年収、需要やメリット、転職事情をご紹介します。この機会に、男性看護師にどんなことが求められているのか、活躍しやすい診療科はどこかを確認し、自分を活かすためのキャリアプランを設計してみてください。

男性看護師の割合

看護師複数
厚生労働省「平成30年衛生行政報告例の概況」によると、看護師の就業人数は、女性看護師が1,123,451人に対して、男性看護師は95,155人。男女比は男性が7.8%と、1割にも届きません。
男性看護師が少ないのは、いまだに「ナースといえば女性の仕事」というイメージが強いことが影響しているのではないでしょうか。実際のところ、職場には圧倒的に女性が多く、男性にとっては働きづらさを感じる部分もあるかもしれません。
しかしながら、この10年の推移を見ると、男性看護師の数は2倍に増えていて、構成割合も10年前の5.1%から7.8%へと伸びています。もちろん一気に男性看護師と女性看護師の割合が拮抗するとは考えられませんが、医療ニーズの多様化などから男性看護師の需要は高く、今後も増加傾向は続くと考えられています。

<厚生労働省「平成30年衛生行政報告例の概況」>
■看護師 実人員(男女構成比)
男性 女性
2008年 44,884人(5.1%) 832,298人(94.9%)
2018年 95,155人(7.8%) 1,123,451人(92.2%)

男性看護師の平均年収

厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、男性看護師の平均年収は約506万円。夜勤などの時間外手当のほか、資格手当や手術室手当、危険手当などの加算で、さらに増やすことも可能です。

また、女性看護師の平均年収は約490万円なので、男性看護師のほうが16万円ほど高くなっています。年代別に見ても、30代以降は男性看護師が女性看護師の平均年収を大きく上回り、30万円以上の年収差も見られます。男性看護師のほうが、夜勤の多い働き方を選択したり、危険手当などがつく診療科で働く人が多いことも要因でしょう。
女性看護師が出産・育児による休職や離職でキャリアをいったん中断する人もいるのに対し、男性看護師はコンスタントに平均年収をアップさせています。

男性看護師の需要やメリットについて

男性看護師の就業者数の伸びが顕著だとさきほど説明しましたが、その背景には男性看護師の需要の高まりがあります。そこには次のような理由があると考えられます。

体力や腕力が求められる

毎日の業務では、寝たきりの患者の体位交換や入浴介助、車椅子への移乗など、力を必要とする看護や介護ケアを行うケースも多くあります。どうしても体力、腕力で非力な女性は身体への負担も大きく、腰痛などに悩む看護師も少なくありません。そのため、まさに男性看護師の力が必要とされています。

男性患者からのニーズ

男性患者にとっては、女性看護師には話しづらい悩みがある。女性看護師に看護してもらうのが恥ずかしいという人も。とくに泌尿器科など男性特有の疾患の患者にそうしたニーズが高く、男性看護師が受け持つことで患者の力になり、精神面のケアにつながります。

多様な考え、モノの見方を取り入れ、看護業務の改善につなげたい

これまで長い間、女性看護師ばかりという看護の職場がほとんどでした。しかし現在は、世の中全体で多様なモノの見方が重視される傾向にあります。看護の現場でもそれは同様です。男性看護師の意見を取り入れることで、業務の改善、効率化などにつながることがあります。

男性看護師にとっての働くメリットも、男性看護師が増えている理由でしょう。
メリットの1つは、キャリアを積みやすいということ。女性看護師は、結婚や出産、育児に伴い、休職や離職を選択するケースも少なくありません。それに比べ、男性看護師はライフスタイルの変化に左右されにくいため、継続的なキャリアアップができます。それにより、管理職をめざす道も拓けます

また、高い年収を狙えることもメリットです。夜勤を多く担当したり、危険手当がつく部署で働いたりすることで、収入アップにつなげることができます。

さらに、やりがいです。男性看護師の力を必要とする現場で活躍し、患者に安心を提供したり、看護業務の改善に貢献したり…。看護師としてのやりがいを感じながら仕事に取り組むことができます。

男性看護師の転職事情、活躍できる職場

男性看護師イメージ
医療や介護の現場では、増え続けるニーズに対して常に看護師が不足している状態です。そのため看護師は売り手市場となっています。とくに男性看護師は少ないため、貴重な存在です。転職を考える際は、非常に有利な立場と言えるでしょう。

男性看護師の活躍が期待される職場はとしては次のような職場、診療科があります。

精神科(急性期病棟)

精神的に不安定な患者さんが興奮したり、強く抵抗されるケースもあり、ときには安全確保のため抑えるなどの対応が必要になるため、男性看護師が歓迎されます。
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救命救急センター、手術室、集中治療室

長時間の立ち仕事や夜勤が多く、高い集中力、精神力が必要とされるハードな現場です。体力も必要なため、男性看護師が重宝されます。
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整形外科、リハビリテーション科

身体の自由が利かない患者さんの歩行介助など、腕力が必要。力仕事が多い職場です。
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泌尿器科、男性専門外来

男性特有の疾患を持つ患者さんもいるため、男性看護師の需要があります。
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男性看護師の仲間がいる方が心強いという場合は、病床数の多い総合病院や大学病院などを転職先に選ぶのもおすすめ。収入アップをめざすなら、救命救急センターや手術室、精神科病棟が選択肢になります。特殊業務手当や手術室勤務手当、危険手当などが加算されます。

また、精神科や整形外科は男性の看護部長も多いので、管理職へのキャリアアップをめざしたい人にもチャンスが広がります。

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