めざす方向へ一直線。看護学校卒業後の最初の就職から、その後の転職まで、自分の望み通りに進んできたというY・Tさん。Yさんらしいのは、その方向を定めることに時間をかけ、自分の中で確信が持てるまで準備して行動することかもしれません。

Yさんのように、自分は何をしたいのか、どんな働き方をするのがベストか、まず考えてみる。そして、それに最適な環境を探していけば、前向きな転職ができるのではないでしょうか。
4回にわたってお伝えするYさんの転職ストーリーをじっくり読んでみてください。

*看護師転職ヒストリーYさん 1回目2回目3回目4回目(最終回)

Y・Tさん(39歳)のプロフィール

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●看護業界歴…18年

●看護の仕事に就く前…看護専門学校

●転職回数…2回

●現在の勤務先…総合病院(内科)

●いままでの勤務先…大学病院(外科)、国立病院(ICU)

●保有資格…正看護師

看護学校入学と同時に、就活開始

看護学校に入学後まもなくして、私は就職フェアに行き始めました。1年生から就活開始・・・(笑)。気が早いんですけど、なんでも調べられずにはいられない性格というか、事前準備をするのが好きなんですね。

ゆっくり少しずつですけど、早めに行動してよかったのは、都内の大学病院や総合病院など、大きな病院をほぼ全部見られたことです。また、たくさんの情報を得ることで、自分はどんな病院で働きたいのか、具体的にイメージできるようになりました。

私がやってみたいのは、外科。自分は地方出身なので、できれば同じように地方出身の方が多いところがいい。そして、認定看護師がたくさんいて、そうした先輩を目標にしながら勉強していきたい・・・。
看護学校3年の春には志望先をほぼ絞り込んでいて、夏の病院見学で最終確認をし、都心にある大学病院に就職しました。

実は、私が学んだ看護学校には附属病院があり、ほとんどの卒業生がそこに就職します。だから私は、「よその病院に行くなんて前代未聞」と言われたほど特殊なケース。
でも私は、入学の時点から別の病院に行くと決めていて、そのためにお礼奉公というかたちで返済することになる奨学金も受けませんでした。

その附属病院もとてもいい病院です。ただ、やっぱり、働きたいと思えるところを自分で探して行きたかったんですね。

そういえば、当時は就職氷河期の頃。有名大学の学生でも就職浪人をする人が大勢いました。そうしたなかにあって、私はなんの苦労もせず、自分が行きたい病院に就職できた・・・。看護師って本当にありがたい職業なんだと思ったことを覚えています。

がんで亡くなる患者さんに、つらさが募る

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看護学校を卒業して就職した大学病院では、希望がかない、外科病棟に配属されました。当時、一般的に大学病院はターミナルになると他の病院への転院を薦めていましたが、ここは最後まで面倒をみることを方針としていました。

そのため、同じ病室に、治って元気になる方と、手の施しようがなく最期を迎える方がいて・・・。時には一晩で数人の方が亡くなる夜もありました。

がん患者が多かったので、自分の中に悶々とした気持ちというか、もどかしさが少しずつ積もっていったのだと思います。がんについての院内勉強会にも参加していましたが、がんの勉強をもっとしたいと思うようになっていきました。

学生の時に病院見学に行って感じた通り、アットホームで、患者さんにもスタッフにも温かく接する、本当にいい病院です。お給料もよく、4年目にはリーダーもさせていただいていました。だから、病院に対して不満があったわけでは全然ないんですよ。

ただ、高度救命救急センター指定の病院のため、救急看護や集中ケアなどの認定看護師はたくさんいる半面、がん分野の認定看護師は当時まだわずか。
がんの勉強をするには思い切って環境を変え、がん分野の認定看護師が大勢いる病院に転職したいと考えました。

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次回は、がん専門の国立病院に転職後、Yさんが初めてぶつかったキャリアアップの壁についてお伝えします。

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