現在、A・Kさんのお子さんは、小学校2年生と6歳。下のお子さんが小学校に入る来年あたりに常勤で病棟に戻ることを目標に、少しずつ転職活動を始めています。
そのとき、そのときで働き方や職場は変わっても、ずっと大切にしているのが、人の痛みや苦しみを察して手を差し伸べる看護師としての姿勢。思うようにいかず、葛藤することがまだ続いたとしても、看護師としての誇りをもってステップアップしていきたいとのことです。

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A・Kさん(42歳)のプロフィール

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●看護業界歴…12年

●看護の仕事に就く前…看護専門学校

●転職回数…6回

●現在の勤務先…介護老人保健施設

●いままでの勤務先…大学病院(小児科)、総合病院(不妊外来)、総合病院(整形外科)、保育園、療養型病院(地域包括病棟)、総合病院(呼吸器内科)、介護老人保健施設

●保有資格…准看護師、正看護師

「目と手で看護する」教えを胸に刻んで

短大を出てからOLになり、結婚し、30歳から看護師に転身。高校時代からなりたいと思っていた看護師でしたが、いろいろな事情で少し遅いスタートになりました。
それでも、もう12年。こうしてやり続けてきた原点には、高校時代にお世話になった看護師さんの姿と、看護学校を卒業して就職した大学病院で受けた教育があります。

盲腸で入院した高校1年の冬のことです。盲腸が破裂するほどの重症で、全身麻酔で手術。身動きできないままベッドで寝ているとおしっこがしたくなり、我慢できずナースコールしました。でも、思春期なので、恥ずかしくてそんなことは口にできません。
すると、看護師さんが、「いやかもしれないけど、ちょっと導尿して出していい? ごめんね」と言って、やってくれたんですね。
何も言わないのに、私がしてほしいことを察してくれ、すかさず対処してくれる。感激すると同時に、どうして分かるんだろう?と不思議に思ったものです。

それが看護のあるべき姿だと理解したのは、実際に看護師になってからです。とくに最初の大学病院では、看護師としての姿勢を徹底的に教えていただきました。

「<看>という字は、目と手でできています。つまり、看護とは、目で見、手で触ってすること。ただ見るだけでは観察ではありません。必ず手で触れて、患者さんが何を感じ、何をして欲しいか考えなさい」

また、こうもよく言われました。「看護師となったら、どこにいようとあなた方は看護師です。具合が悪い人や倒れている人がいれば、手を差し伸べるのが、あなたたちに与えられた資格です」

こうしたことは看護学概論でも教わることですけれど、私は病院の教育研修で身に着けることができ、いまもこの教えを大切にしています。

まず病棟に戻ることを目標に、転職活動開始

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子どもたちはいま、上が小2、下が保育園の年長さん。介護老人保健施設での勤務は、9時から3時までの週4日。まだ下の子の保育園の送り迎えがあるため、非常勤でこのまましばらく続ける予定ですが、転職活動も少しずつ始めています。

小児科、不妊外来、整形外科、呼吸器内科と、病棟でスキルを上げてきたので、さらに上をめざすために病棟に戻りたい。そして、教育にも興味があります。
というのは、実習に来る看護学生と接していて、心配に思うことが増えているからです。

単位さえくれればいいというふうに見える人もいます。さきほどの「目と手で考え、行うのが看護」というような話をしても響きません。もちろん現場に出て、経験を積むなかで変わっていくんでしょうけれど、学ぶ姿勢が薄れていっているように感じるんですね。

私がかつて教えてもらったように、看護師としてあるべき姿を伝えていきたいし、いろいろ教えてあげたい。だから、看護学校で教えることも将来的には考えてみたいと思っています。

下の子が小学校に入るまで、あと1年。そこが一つの区切りですが、子育て期間はまだまだ続きます。思いっきり仕事をしたくても、思うようにはいかないこともあるでしょうし、葛藤することも多いと思います。

それでも、こうした時はいつか終わります。
どんなに大変なことがあっても、辛抱してがんばれば出口が見つかり、新しいチャンスのときがやってくる。ずっとそう信じて生きてきたので、自分らしく、これからも前向きに進んでいくつもりです。

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