精神疾患の患者数は、統合失調症や認知症、うつ病を中心に増加が顕著です。そのため精神科の看護師ニーズは今後も高まることが予想されます。一人ひとりの患者に寄り添う看護を実現したい人にとっては、精神科はやりがいのある職場です。また、ブランクを経て復帰をめざす人にもおすすめ。
ここでは、精神科で働く看護師の仕事内容、1日の流れ、平均給与、向いているタイプなどをご紹介します。

精神科で働く看護師の仕事・業務内容

精神科は、統合失調症やうつ病、不安障害、依存症など、心の病気そのものが診療の対象です。精神科の病棟には、慢性期を対象とした療養病棟、急性期の患者を対象とした急性期治療病棟、救急入院科病棟などの種類があります。病棟以外では、精神科外来メンタルクリニック訪問看護などが活躍の場です。

精神科看護師の仕事は、コミュニケーションによる心のケアがメインとなり、他の科に比べて医療行為が少ないのが特徴です。主な業務は、診療介助のほか、バイタルチェックや薬の管理・与薬、セルフケア介助など。精神科には、自分の身体の異常を自覚できなかったり、病状を上手に伝えられない患者も少なくありません。そのため一人ひとりの状態をよく観察し、わずかな変化を見逃さず医師に報告するのが、精神科看護師の重要な役割。また、精神科では投薬治療が中心となります。ですが患者が服薬を拒否したり、自分の判断で減らしたりすることもあり、薬の管理には細心の注意が必要です。日頃からコミュニケーションに努め、患者と良好な関係性を築くことがケアを支える大事な要素となるので、看護師が果たす役割は重大です。

精神科で働く看護師の1日のスケジュール(例)

<療養病棟・日勤の場合>
■08:00 出勤
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■08:30 申し送り
夜勤担当から申し送りを受け、患者の情報を共有します。
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■09:00 ラウンド、看護ケア
体温や脈拍、血圧などのバイタル測定をします。点滴、与薬、内服チェック、検査介助など、患者ごとにさまざまな処置や看護ケアを行います。
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■11:30 昼食介助
食事中、誤嚥などの危険がないか見守ります。
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■12:30 昼休憩
交代で昼食、休憩を取ります。
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■13:30 ラウンド、看護ケア
与薬、内服チェック。通常と変わったことがないか、コミュニケーションを取りながら観察もします。
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■15:00 入浴介助
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■16:30 記録・申し送り
看護記録を作成、夜勤看護師へ申し送りをします。
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■17:00 退勤

精神科で働く看護師の平均年収

精神科看護師の平均年収は、夜勤手当などを含むと400万円~500万円程度。他科の看護師とほぼ同じ水準です。残業がそれほど多くないことから、夜勤をどれくらいこなすかによって年収に差が出てきます。
重篤な患者が多い病院など、病院によっては基本給とは別に、危険手当(特別手当)が支給されるところもあります。額としては5,000円~10,000円程度が相場と言われています。

精神科で働く看護師のメリット・デメリット

精神科で働くメリットは、一人ひとりに寄り添う看護ができること。他の科に比べれば治療は長期間にわたることも多く、完治することも少ないのですが、ゆっくりと時間をかける分、信頼関係が生まれ、理解が深まるのを実感できたときの喜びが大きいのはメリットです。

精神科は投薬治療がメインで、容態急変や緊急の医療処置が必要なケースは多くありません。外来においても予約診療がほとんど。そのため残業が少なく、ほぼ定時で帰宅できます。プライベートの時間を大事にしたい人、育児や介護との両立を考えている人には大きなメリットでしょう。

ただ、医療行為が少ない分、一般的な看護スキルを習得しにくいのがデメリットとなります。最新の医療技術や医療機器に触れる機会も少ないため、将来的に他の科への異動を希望する場合は検討が必要です。
また、精神的に不安定な患者とコミュニケーションをとることは、精神的な疲労度が大きいため、オンとオフの切り替えが苦手な人には負担が重い職場と感じられるかもしれません。

精神科で働く看護師のスキル・資格

精神科看護師に求められるのは、患者一人ひとりとじっくり向き合い、心のケアを行うこと。そのためにコミュニケーションスキルが重視されます。また、ちょっとしたしぐさや声のトーンなどから患者に起きている変化を察知する、細やかな観察力も大事なスキルです。

精神科看護師としてさらにスキルアップをめざすなら、「精神科認定看護師」や「臨床心理士」などの資格取得をめざすのも良いでしょう。

精神科で働く看護師に向いているタイプ

精神科で働く看護師に向いているタイプ
精神科の患者は、常に不安感を抱えている人が少なくありません。ときには、興奮して心ない言葉をぶつけられることも。そうした状況で冷静に対応し、患者に安心感を与えるケアが求められるため、少しのことではめげない精神的にタフな人が向いています。

患者さんによっては意思疎通が思うようにできなかったり、コミュニケーションに時間がかかる場合もあります。相手のペースに合わせ、根気強く気長に向き合えるタイプであることも、精神科看護師に求められる大切な要素です。

また精神科は、医療行為や残業が少ないという特徴から、看護師の仕事からしばらく離れ、看護技術に不安や苦手意識がある人、子育てと仕事を両立させたい人に人気の職場です。他科に比べ、男性看護師が重宝される職場でもあります。幻覚や幻聴によりパニック症状を起こし、暴れてしまう患者もいることから、ある程度の体力が求められるためです。

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