准看として3年間働いたのち、正看になるために再び学生に戻ったY・Sさん。高校卒業後すぐに正看の学校に行く方法もあったけれど、「これが、自分が選んだ進み方。いま思えば、遠回りでは決してなかった」と話します。
仕事はいったん離れ、2年間、学業に専念。正看となって再出発するとき、高度で専門的な集中治療を行うICUでスキルアップしたいと考えました。

*看護師転職ヒストリーYさん 1回目2回目3回目4回目(最終回)

Y・Sさん(35歳)のプロフィールimage003

●看護業界歴…15年

●看護の仕事に就く前…看護専門学校

●転職回数…2回

●現在の勤務先…総合病院

●いままでの勤務先…総合病院(外科、整形科)、総合病院(ICU)、総合病院(ICU、整形外科)

●保有資格…准看護師、正看護師

現場の経験が、正看の勉強にも生きる

看護師になる道は幾通りもあります。僕はそのなかのひとつ、病院で看護助手として働きながら准看の資格を取る方法を選び、准看として働くうちに「やっぱり正看になろう」と、退職して正看の看護学校に行きました。

僕の場合は、准看の学校に通いはじめてから正看の看護学校を卒業するまで7年。一方、高校を卒業した時点で正看をめざしていたら3年で取得できます。時間だけに限って言えば、確かにちょっと遠回りだったかもしれません。

でも、看護学校に行き、再び学生になってみて、自分にはこの進み方でよかったのかなと思うようにもなりました。というのは、臨床の経験があるので実習に強いんですね。また、座学にしても、一応の基礎力はあるので理解がはやい。ここでの勉強より、何もかも初めてのことばかりだった准看学校時代のほうが大変だったくらいです。

だから、正看にはなりたいけど二の足を踏んでいる人がいたら、「あまり心配はせず、やってみたらどうですか」と言いたいですね。もちろん、准看のままでいいという人もいるし、それぞれに事情もあるでしょう。もう1回学校に行って勉強し直すことにハードルの高さを感じる人もいるかもしれません。でも、いまは通信教育でも正看の受験資格を得られるようになっていますし、働きながらでもできるはずです。

やる気があるのなら、もう遅いかな? 無理かな?とは思わず、いつでもやってみるのもいいと思います。
僕は3年も准看のままでいましたけど、そこで経験を積んでいたから正看の勉強にハードルを感じることがなかった。むしろいまは、これが僕にとっては確実なステップアップの道のりだったんだと思っています。

僅かな異変も見逃さない“緊迫感”をもって働く

image005
正看になる2年課程を終えてから、神奈川にある総合病院に就職しました。ここは看護学校の系列病院。前病院では外科系をやってきたので、さらに上の領域を目指し、ICU(集中治療室)を希望したところ、その通りの配属となりました。

ご存じのとおり、ICUは、重症な患者さんに24時間体制で集中治療を行っています。人工呼吸器やカテーテル、点滴、さらにたくさんのモニターを付けている患者さんの全身管理を行うため、一瞬も気を緩めることはできません。急変の兆候を見逃したり、ちょっとでもミスをすると命を落とす危険性が高いため、つねに緊張を強いられる職場です。

プレッシャーのなかで仕事をするのは大変でしたが、それだけにすごく勉強になりました。医療機器から薬まで一般病棟とは違い、高度で専門的な治療を補助することで、看護師としての知識も技術も高めることができたと思います。

でも、3年後にこの病院は退職しました。理由は、病院内の一番高いレベルの医療を一通り経験できたと感じたから。
異動を申し出る方法もありましたけど、若いうちにもっと世界を広げ、いろいろな経験をしてみるのがいいと思い、転職することにしました。

○      ○      ○

次回は、現在の病院に転職後の近況とともに、男性看護師として心がけてきたことを振り返ります。

*看護師転職ヒストリーYさん 1回目2回目3回目4回目(最終回)

ナースエージェントの求人数は国内最大級! 自分らしい仕事が探せます。