人生が一度に大きく変化するときがあるとしたら、M・Tさんにとって、27歳の半年間がまさにそれでした。認定看護師になろうと決意し、四国から福井へ。そこで結婚相手に巡り会い、赤ちゃんも授かったのです。
つわりとたたかいながらの勉強は大変でしたが、認定課程は修了。昨年、無事に出産もし、女の子のママになりました。

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M・Tさん(28歳)のプロフィールimage003

●看護業界歴…6年

●看護の仕事に就く前…5年一貫看護課程

●転職回数…1回

●現在…育児休業中

●いままでの勤務先…国立病院(呼吸器内科、腎臓内科、神経内科、膠原病内科)、個人病院(内科、外科)

●保有資格…准看護師、正看護師

慢性呼吸器疾患看護認定課程のために福井へ

師長さんに「認定看護師をめざしてみたら?」と言われ、ほとんどその場で決意が固まりました。取れるかどうかわからない難しい資格。でも、いまの私には、高い目標に向かって自分を追い込み、夢中で勉強する時間が必要だと思ったのです。

認定看護師の資格を得るのに必要な条件は、実務研修が通算5年。うち3年以上は認定看護分野の実務研修。私は前職で主に呼吸器内科に勤務しましたから、条件を満たす認定分野は慢性呼吸器疾患看護になります。

それからすぐに退職し、慢性呼吸器疾患看護の認定教育機関である福井大学大学院医学系研究科附属看護キャリアアップセンターの入学試験を受けました。
ここで不合格になる人もいますから、試験の結果を待ってから退職してもよかったんですけど、もうそこは一直線で(笑)。
それに、慢性呼吸器疾患看護の場合、認定教育機関は福井大学大学院のキャリアアップセンターのみ(日本赤十字看護大学看護実践・教育・研究フロンティアセンターは休講中)。
四国から福井に行き、6カ月間学ぶとなると、退職するしかありません。

学費から生活費まで含め、約200万円ほど。病院の研修制度を利用する方もいると思いますが、私は全部自費。それでも、何かしたいことが見つかったときのためにと貯えてきましたし、キャリアアップの先行投資だと思っていたので、お金のことはとくに気にかけていませんでした。

運命の人と出会い、スピード結婚

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ところが、認定看護師になる勉強をしている間、自分でもまったく予想していなかったことが起こりました。ここで知りあった人と結婚、そして妊娠。つわりとたたかいながらの勉強という、嬉しくも大変なことになったんですね。

彼との出会いは、入学試験の日。私が机に向かい、下を向いていると、通路を行ったり来たりする脚が見え、何気なく顔を上げて見ると、そこに彼がいました。すると足元から温かいものがフワッと漂ってきて、私の体まであったかくなったんですよ。

「ドラマみたい」と友達にからかわれるんですけど(笑)、彼はこの印象通りの人。あたたかな日射しに包まれていると、じんわりと元気が湧いてくるような・・・そんな魅力をもった心やさしい看護師で、キャリアアップにもとても前向きでした。
6月に入学式があり、それから1カ月後につきあい始めたのですが、このときから「結婚を前提におつきあいしてください」と彼に言われ、もうその日に彼の両親にご挨拶するため、二人して出かけました。

いろいろなことが急転直下で進み、妊娠している私を気遣ったり、周りの人の勉強の妨げにならないよう気を配ったり、彼も大変だっただろうと思います。それでも、こうして出会えたことは幸せで、二人で頑張って、一緒に認定看護師の資格を取ろうと励ましあって勉強に打ち込みました。

6カ月間の認定課程を終え、修了試験も合格。ただ、翌年に行われる日本看護協会の認定審査は、出産予定日と重なり、私は受けられませんでした。

私も受けたかったけれど、「また次に頑張ればいい」。
自分の受験と妻の出産が重なり、気が気ではなかっただろう彼が試験後に病院に駆けつけ、「おめでとう!」と言ってくれたときの感動は忘れられません。

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最終回は、育児に専念しながら復職に備えるMさんの現在の思いをお伝えします。

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