最初の職場でつらい思いをした分、次の転職先は人間関係を最優先ポイントに。こうしてJ・Kさんは、大規模な総合病院から、個人経営の小さな病院に転職しました。
そこでの4年間は、望んでいた通り、ストレスのない穏やかな日々。ナース同士仲がよく、患者さんともゆっくり触れ合いながら仕事に励むうち、自分の興味がどこに向いているのか、見えてきました。

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J・Kさん(39歳)のプロフィールimage003

●看護業界歴…19年

●看護の仕事に就く前…看護専門学校

●転職回数…5回

●いままでの勤務先…総合病院(内科)、個人病院(外科、内科、整形外科)、介護老人保健施設、デイサービス、特別養護老人ホーム

●保有資格…准看護師、正看護師

大病院から、アットホームな病院への転職

転職にあたっては、以前のような大病院ではなく、こじんまりとした病院がいいなと考えました。職場の人間関係は実際に働いてみないとわかりませんが、小さな病院なら家庭的な感じで、同僚との距離も近いかな?と思ったんですね。

転職先は、千葉県にある個人病院。内科や外科などの混合病棟で、看護師は10数人。人間関係もとても良くて、楽しく仕事をすることができました。

ただ、前職の総合病院は最新医療を展開していたのに対して、ここは医療機器もちょっと古め。また、大きい病院だと、看護師がやりやすいようになんでもセットになっているのが普通ですけど、ここはその都度、看護師が揃えるんですよ。
たとえば、中心静脈栄養なら、点滴とルート(管)をつなげる。ガーゼを減菌するのも私たち看護師・・・。

「まだこんなところもあったんだ」。最初は驚きましたが、すぐ馴れました。看護学校で勉強したことを実践できたし、自分たちでなんでもやる分、看護師としての基礎力がついたと思います。

この病院の患者さんの多くは、地域のお年寄りの方々。高齢者と触れ合い、心くばりすることに楽しさを感じるようになっていたのも、これから進んでいく方向への自然な流れになっていたように思います。

ナースの職場は病院に限らない

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介護保険制度が生まれたのは、確か2000年だったでしょうか。それに伴い、医療と介護が連携したケアシステムの整備が進められ、医療法人が介護老人保健施設(老健)を設立したり、総合病院に介護病棟が設けられるようになりました。

私が当時、勤務していた病院でも、系列で老健ができ、時々、お手伝いに行っていました。そこで介護の世界もいいなと思ったのがきっかけで、4年後に退職。違う医療法人が経営する老健に転職しました。

医療に携わっていたい人にとっては、病院以外の職場は物足りなく思うかもしれません。
大きな総合病院で働いている友達も、系列の老健に異動させられ、「どうして私がレクリエーションとかやらなきゃいけないの!?」と愚痴をこぼしていたことがあります。病院で働く看護師は、そこにプライドを持っている人が多いですから、彼女がそう言うのも無理はないかもしれませんけど。

ただ、私にはそうしたこだわりはまったくないんです。
私がこれ以降ずっと働くことになる介護施設はどこも、ユニフォームも介護職員さんと同じ。ナースも介護の仕事をします。そういうのはイヤだという人もいるかもしれませんけど、私は平気。というより、医療と介護に垣根はないと思っています。

そういえば、衛生看護の高校時代、病院でバイトをしたことがあり、その時にヘルパーさんが患者さんのオムツ替えをするのを手伝いました。みなさんプロですから、患者さんがリラックスできるよう上手にされるんですね。
排泄や入浴のお世話など、介護の仕事にまったく抵抗がなく、むしろ楽しくできるのは、そうした経験もベースにあるのかもしれません。

もしかしたら私は、もう少し早くから介護施設に行くべきだったのかも? そう思うほど、この時の転職は、私にとっては意味の大きいものでした。

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次回は、介護老人保健施設で働きながら、ナースとしてのやりがいを実感していく様子をお伝えします。

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