下のお子さんの幼稚園入園をきっかけに、仕事を再開したT・Rさん。子育てに支障がない範囲ではあっても、両立はやはり大変です。くじけそうになりながらも、持ち前の行動力を発揮し、さまざまな仕事に挑戦しています。
焦らず、一歩一歩。看護師という軸を生かし、前へ進む。「やってみれば可能性の芽は必ず見つかる」という言葉は、多くの人の胸に響くはずです。

*Tさんの転職ヒストリー 1回目2回目3回目4回目(最終回)

T・Rさん(44歳)のプロフィール4_1

●看護業界歴…9年

●転職回数…7回(非常勤での勤務先含む)

●いままでの勤務先…がん専門病院、総合病院、調剤薬局(医療事務)、クリニック(内科)、訪問看護、他

●保有資格…正看護師、ケアマネジャー、第一種消化器内視鏡技師

小さい子どもがいて働くのは、やはり難しい?

登録した派遣会社から紹介していただき、最初に決まったのが、クリニックと訪問看護。クリニックは週末のみの非常勤。訪問看護は、グループホームを訪問し、健康状態をチェックする仕事で、こちらは週1回2時間ほど。

ただ、無理のない範囲でできるかなと思ったものの、実際にやってみると時間の調整が難しく、どちらもあまり長くは続けられませんでした。

その後は別のクリニックに移り、土曜日のみの勤務を今も続けています。去年からは保健指導の仕事もしています。これは、企業を訪問し、健康診断の結果を見ながら社員に保健指導をする委託業務。依頼を受けられるときに引き受け、健康指導する社員とのアポイントも自分で取ります。面談は1時間と決まっていて、あとは自宅で書類を作成する必要がありますが、時間の調整がきくため、月に4軒くらい行っています。

他にも自宅への訪問看護もやってみました。また、自分の時間があいている時にできる単発の仕事をときどきしています。

クリニック、訪問看護、保健指導・・・ここ数年、こんなふうに私は、非常勤でいろいろな仕事をしています。

本来は、一つのところに腰を落ち着けるべきだと思います。ただ、たとえ短時間勤務とはいえ、長くやっていれば期待もされ、責任も増えます。人手が足りないところでは、子どもが急に熱を出したときや、学校の用事があっても簡単には休めません。下の子のために、幼稚園の他に託児所も確保はしているものの、それで勤務先に迷惑をかけてはいけない。迷惑をかけてしまうため退職を願い出ることもたびたびでした。

やっぱり子どもがいて働くのは難しい。もっと働いてほしい、もっと続けて欲しいという期待に応えられない…自分がいやになりながらも、半面ではこうも思うようになりました。

いまは勉強の時。いろいろな働き方を経験し、自分ができることを見つけていこうと。

看護師の活躍の場は、想像以上に幅広い

4_2クリニック勤務も、訪問看護や保健指導も、私がいままで経験したことのない分野です。個人事業主となって、看護師が保健指導を行う業務があることも初めて知りました。

単発のお仕事もいろいろやっているのですが、先日はシニアのスポーツ大会に医療スタッフとして行き、こうしたイベントの場にも看護師のニーズがあるんだと驚きました。

看護師のフィールドは、本当に幅広い。とにかくいまは、一つひとつ扉を開きながら、視野と経験の幅を広げようと思っています。

また、仕事を再開してみてわかったのは、どこでも即戦力が求められていることです。たとえば、私が一時期行っていた訪問看護では、基本的に看護師が一人で患者さんのお宅に伺い、胃ろうのケアや呼吸器の管理などを、全て行います。経験がなければできませんし、「時給がよさそうだから、ちょっとやってみようかしら」という程度の気持ちではとても務まりません。

派遣会社から仕事を紹介していただき、いま私がこうして仕事をさせていただけるのも、経験があるから。子育てしていてブランクはあっても、一度身に付いたものは忘れません。ブランクから復帰し、クリニックで最初に採血した時も、「できるかしら…」と心配だったのですが、やっぱりちゃんとできるんですね。それも、看護学校卒業後に勤務した病院で、「バケツ3杯の涙を流すほど叱られて」基礎を叩き込んでもらったおかげだと感謝しています。

もちろん、勉強も欠かせません。今も、仕事の前にはシミュレーションしたり、必ず本を読み直すようにしています。

下の子が小学生になるまであと1年です。いま自分が置かれている立場でできることをやってみる。向いてないと分かったら、別の働き方に目を向け、またやってみる。そうやって進んでいけば、きっといい出会いがある。そう思っています。

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