重症の患者が多く、一瞬も気が抜けない臨床現場。少しのミスも許されない重圧から、医療に携わるのが怖くなったM・Tさん。看護師を辞めようとまで考え、4年間勤務した国立病院を退職しました。
けれど、3カ月ほど休んでいる間に元気を取り戻し、個人病院に転職。そこでMさんは、認定看護師になるという目標を見つけました。

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M・Tさん(28歳)のプロフィールimage003

●看護業界歴…6年

●看護の仕事に就く前…5年一貫看護課程

●転職回数…1回

●現在…育児休業中

●いままでの勤務先…国立病院(呼吸器内科、腎臓内科、神経内科、膠原病内科)、個人病院(内科、外科)

●保有資格…准看護師、正看護師

保健師になるつもりで、国立病院を退職

看護師になって最初に勤務した国立病院で4年目に入ったあたりから、退職を考えるようになりました。

就職して、まず3年か4年はそこで頑張り、一人前の看護師となる修行をする。一応の目安としていた期間が過ぎ、やり切った感もあったのかもしれません。
全速力で走るエネルギーが体の底から湧いてこなくなり、看護師という仕事を続けていく気力も萎えかけていったのです。

一番の理由は、絶対にミスをしてはいけないというプレッシャーです。点滴、人工呼吸器の酸素投与・・・医師の指示書に基づいて行う業務はとくに、ナースのちょっとした判断ミスやコミュニケーションミスで大変な事態を招きかねません。
重症の患者さんが多い病棟だっただけに、毎日がそうした緊張の連続。看護師を続けていく限り、この怖さは消えることがないんだと思うと、余計につらくなっていったんですね。

まる4年が経った時、国立病院を退職。このときは保健師になるつもりで、学校に通う予定でした。
看護師資格があれば、保健師養成学校で1年以上勉強すれば保健師の受験資格を得られます。師長さんに相談すると、パート勤務にして、病院で昼働きながら、夜に学校に通ってはどうかとも言ってもらえたのですが、けじめとして、やはり退職するのがいいという結論に最終的にはなりました。

退職したときは、本当に保健師になるつもりだったんですよ。でも、退職して3カ月ほど休んでいる間に、その気持ちは薄れていって・・・(苦笑)。
生死に関わる医療が怖くなったのは事実だけれど、看護師まで辞めて本当にいいの? 保健師になりたいというのは、退職するための理由に過ぎなかったんじゃないの?
リフレッシュしている間に何度も自問自答し、私がしたいのはやっぱり看護師なんだと気づきました。

頑張って認定看護師をめざしてみよう

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転職したのは、四国の県内でもわりと大きな個人病院です。
日勤だけの正社員、夜勤だけの正社員というように、勤務パターンが選べるようになっていたので、私は日勤のみにしました。前職は3交代勤務でハードでしたし、もう夜勤はしたくなかったんですね。

公立病院と個人病院。単純に比較はできませんが、どちらも経験してみて思うのは、個人病院はいろいろな働き方ができるような気がします。子育て中のママさんとかにも理解がありそう・・・あくまでも推測ですけど(笑)。
一方、施設や設備は公立のほうがいいかもしれません。転職した個人病院では手袋とかも安いものに変えられていき、公立は物品にも恵まれていたんだなとわかりました。

この病院には2年ほど勤務しましたが、国立病院を退職してから、なにか目的を見失ってしまったような、ちょっと宙ぶらりんな時間だったように思います。
日勤だけにして、時間的にも精神的にも余裕はあるけれど、自分を高める努力をしていないというか・・・。

そんなとき、師長さんに、「県下でもトップクラスの国立病院に就職できたほど優秀なのに、どうして辞めたの?」と聞かれたんですね。保健師になろうと思っていたという話をすると、「保健師になるより、認定看護師になったほうがいいんじゃないの?」と。

私みたいなものがなれるとは考えたことがなかった認定看護師。夢中になれるもの、挑戦できるものが、突然、目の前に現れました。

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次回は、認定看護師の資格取得を目指す日々と、生涯の伴侶との出会いをお伝えします。

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