3年間はやり抜くと決め、ナースをスタート… 看護師転職ヒストリーCさん1

投稿日:2016/08/04

看護専門学校を卒業して就職した当時は、「ナースは一生の仕事」とまでは考えていなかったというC・Sさん。心に決めていたのはただ、「どこに就職しても3年は頑張る」ということでした。

新しい知識と技術を得るのに最低3年は必要。そして、そこでやり遂げた時、次を考える。こうして一歩一歩、キャリアを積んできたCさんの歩みは、転職の時期をいつにするか、悩んでいる人の参考になるはずです。4回にわたってお伝えするC・Sさんの転職ヒストリーをじっくり読んでみてください。

*看護師転職ヒストリーCさん 1回目2回目3回目4回目(最終回)

C・Sさん(34歳)のプロフィール

●看護業界歴…13年

●看護の仕事に就く前…看護専門学校

●転職回数…2回

●いままでの勤務先…国立病院(呼吸器内科・呼吸器外科)、総合病院、大学附属病院(救急外来、内科病棟、外来化学療法室)

●保有資格…正看護師、介護支援専門員(ケアマネジャー)、3学会合同呼吸療法認定士

家庭科の授業で書いた婚姻届が運命の分かれ目?

高校時代は、将来なりたいものがたくさんありました。小説家、カメラマン、建築家・・・・両親はどれも応援してくれていませんでしたが(笑)、自分は夢いっぱいで、進学先をあれこれ考え始めた高3の夏のことです。

家庭科の時間に、婚姻届を書く模擬授業があったんです。自分の欄には自分の名前を書き、相手の名前は自由記入・・・・笑われると思いますけど、告白しますね。

当時、ちょっとだけつきあった同級生の彼氏がいまして。彼が妻の欄にどんな名前を書いたのか気になり、放課後、彼の教室に友達とこっそり行ってみました。
確か、後ろの壁にクラス全員の婚姻届が貼り出してあったと思います。で、見てみると、妻の欄には、当時人気だったタレントの名前(笑)。そして、職業は、なんと看護師!

この時はもう彼とは別れたあとだったので、どんなつもりで妻の職業を「看護師」と書いたのか、わかりません。特に意味はなかったんでしょうね。でも、これをきっかけに、「看護師もいいのかな?」と思い始めたのですから、元彼には「ありがとう」と言っておくことにしましょう(笑)。

10数年前は就職氷河期の時代。大学は出たけれど就職できない人が大勢いました。私の従姉も海外留学までしたのに働き場所がなく、コンビニでバイトをしていて。そんな厳しい現実を身近に見ていたことも、「大学に進学するより、看護学校に行って看護師をめざしたほうがいいのかな?」と思い始めた理由です。

国語の先生に、「大学の文学部か看護学校か、悩んでいます」と相談してみました。すると先生は、「君は絶対、看護師がいい!」と即答。もう少しなんとか言ってくれてもいいと思うんですけど(笑)。先生としては、小説家になりたいなんて夢みたいことは考えず、しっかり手に職をつけなさいと言いたかったのかもしれません。

看護学校に入学して初めて、厳しさを知る

進学したのは、都立の看護専門学校です。東京近県の実家を出、都内の叔父の家に居候させてもらって学校に通いました。
実は、進学した当時は、将来、看護師として長く働くつもりはありませんでした。数年で辞めるかもしれないので、学費にお金をかけるのは親に申し訳ない。公立の学校を受験したのは、そんな理由からです。

長く働くイメージを持てなかったのは、看護師を目指したそもそものきっかけが、元彼がらみ(笑)だったからかも? 胸を張って言えるような目的意識がなかったために、看護師の仕事のこともよくわかっていませんでした。

だから、入学後に実習室に入った時に驚きました。ずらっと並んだベッド、人体模型・・・・「ああ、私はなんというところに来たんだろう?! これからやっていけるだろうか」。不安と同時に、看護師になるんだという緊張感が初めて湧いた瞬間でした。

同窓生は80人。卒業した時は60人になっていて、20人が退学していました。私は勉強が嫌いではないし、知識を得ることが好きなのでやり遂げられましたが、脱落する人も多い厳しい世界であることを知ったのも、看護学校に入ってからです。

卒業後は、国立の研究病院に就職しました。ここは、国際的な対応を必要とする高度専門医療に関する研究センターが管轄する病院。エボラ出血熱やSARS(重症生呼吸器症候群)などが発生すると、感染予防とまん延予防の拠点となるところです。

国家公務員になりたくて国立の病院の試験を受けて合格したのですが、それでも、10年先、20年先まで働く自信はなかったかもしれません。でも、簡単には辞めないつもりでした。

「どんなに大変でも、最初に就職した病院で最低3年間はやり抜くこと。そうしないと転職しても使いものにならない」。
看護学校で聞かされてきたことを胸に刻んで、看護師としての一歩を踏み出しました。

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次回は、修業時代の3年間と、退職を決めるまでの思いを辿ります。

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