高齢者に寄り添い、心を込めたケアを…看護師転職ヒストリーJさん4

投稿日:2017/01/05

病院から介護施設に転じて10数年。病院に戻る気持ちはなく、これからもずっと介護施設で働きたいと話すJ・Kさん。それは、高齢者が笑顔で心豊かに毎日を過ごすことが嬉しい彼女にとって、「ここが自分らしく、楽しく働ける場所」だと思うからです。
現在勤務する特別養護老人ホームに転職したのは、1年ほど前。家庭的な人間関係や環境づくりをめざすユニットケアのもと、今日も高齢者一人ひとりに笑顔で向き合っています。

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J・Kさん(39歳)のプロフィール

●看護業界歴…19年

●看護の仕事に就く前…看護専門学校

●転職回数…5回

●いままでの勤務先…総合病院(内科)、個人病院(外科、内科、整形外科)、介護老人保健施設、デイサービス、特別養護老人ホーム

●保有資格…准看護師、正看護師

流れ作業的な介護は誰も望んでいないはず

「介護職員は仕事ができる人ほど辞めていく」。こんな話を聞いたことがあるかもしれません。介護職員の定着率が高い職場に長くいた私も、最後は結局、それが引き金で辞めることになりました。

私はナースですけど、介護の仕事もやっていたので、ケアさん(介護職員)たちの気持ちもよくわかっているつもりです。
みなさん、介護に一生懸命。利用者さんと心と心で向き合っています。たとえば、どんなに技術があり、介助の仕方が上手でも、利用者さんに拒否されたり、暴れられたらおしまい。そうならないように、利用者さんとよくコミュニケーションをとる。すると心を許してくれ、力を抜いてもらえ、利用者さんも介助する側もラクになるんですね。

プロ意識が高く、技術も優れているケアさんであればあるほど、「技術の前に心よ」とよく言います。そうした人たちが職場を離れてしまったのは、効率を求められ、仕事が流れ作業になり、心を込めたケアができないことに失望したからではないでしょうか。

私も、看護業務の基本は利用者さんに心を開いてもらうことだと思ってやってきました。このモチベーションを保ちたくて退職したのですが、「一緒に働くケアさんが辞めることが少ない職場がいい職場」という思いは変わっていません。

介護老人保健施設を辞めた後は、デイサービスの施設に半年ほど勤めてから、現在の特別養護老人ホームに転職しました。
デイサービスが短かったのは・・・ここはちょっとお給料が安くて・・・。最初からわかっていたことなのに、うっかりでした(笑)。

一人ひとりの生活を大切にする特養のユニットケア

現職の特別養護老人ホームは、ユニットケアを行っています。ユニットケアとは、利用者さんを幾つかの少人数のグループに分け、なじみの人間関係と家庭的な生活の場をつくり、その人らしく、当たり前の生活を送ることをめざしたケアです。

どういう経緯でユニットケアが始まったのかはよく知りませんが、利用者さんのためはもちろん、職員に働きがいを持ってもらいたいということから広まってきたとも言われているそうです。

一人ひとりの生活を大切にしたユニットケアでは、職員は利用者さんのそばに寄り添い、「介護する人、される人」の関係から、「一緒に生活する人」の関係になります。
利用者さん一人ひとりと密接に関わりたいと思って勤めたにもかかわらず、流れ作業的な介護に追われ、気持ちが折れそうになっている看護師や介護職にとっては、確かに、ユニットケアは夢や希望をもって働けるケアのあり方のひとつかもしれませんね。

私が担当している利用者さんは18人。少人数ですし、ケアさんたちと一緒に私も利用者さんのそばにいて、一人ひとりの方との心のつながりを大切にしながら楽しく働いています。

以前の職場の同僚で大親友のSさんも、私と同時期に転職し、ほかの施設で頑張っています。看護と介護、職種は違っても、また、職場は違っても、二人でよく話すのが、「私たちは利用者さんの家族には絶対勝てない。でも、家族ができないところを補うような気持ちでケアできたらいいね」ということ。

シンプルですが、利用者さんが笑顔で楽しく暮らしている姿を見ていられるのが、私の幸せであり、働きがい。
ターミナルケアにも興味があるのでその勉強もしたいし、同じ志を持つSさんたち仲間と一緒に自分たちで施設を作ってもみたい。資金があればの話で、あくまでも夢の夢ですけど(笑)・・・。
でも、少しずつ少しずつ頑張っていけば、いつか叶うかもしれない。目標は大きく持っていようと思います。

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