お母さんの介護のために離職したM・Yさんの仕事復帰は、助産師ではなく看護師として。初めてのナース業務ですが、「一生懸命やる」ことを信条に、仕事に日々取り組んでいます。このままナースの経験を積むのか、助産師に戻るのか・・・「これからのことをあれこれ悩んでいるうちは、あえて決めないほうがいいのかもしれません。また大きな波が来て、気持ちが自然に動くのを待ちます」という言葉が印象的でした。

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M・Yさん(41歳)のプロフィールimage001

●看護業界歴…10年

●看護の仕事に就く前…教育関連事業所、准看護専門学校、看護専門学校、助産師学校

●転職回数…3回

●いままでの勤務先…大学附属病院(産科)、総合病院(産科)、リハビリ病院(回復期病棟)

●保有資格…准看護師、正看護師、助産師

スタッフが連携し、ADLの回復に努める

助産師になったのは30歳目前。そして、看護師としてはほぼ40歳から。遅いスタートですし、看護師としては経験未熟ですから、転職して1年が過ぎたいまも勉強の毎日です。

リハビリ病院では、医師や看護師をはじめ、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、ソーシャルワーカー、介護職員など、さまざまな専門家が関わるため、スタッフ同士の連携が必要です。私たち看護師は主に入院中の生活面のケアを担当しますが、食事、移乗、トイレ介助など、日常生活動作(ADL)をきめ細かく見守りながら、改善・回復のためにはどういう方向でやっていくのがベターか、スタッフと密に情報交換しながら進めていきます。

たとえば、おむつひとつとっても、24時間ずっとなのか、夜だけにするのか。現状は1日中おむつが外せない状況だけれど、退院して自宅に帰るのが目標なら、家族の負担を少なくするためにも、夜だけでもいいように入院中に様子を見て外してみたらどうか・・・。などということは、自分だけの知識や経験ではなかなか見えません。間違った方向に行ってしまわないよう、同僚のナースとよく話し合い、ADL回復のプランを考えるよう心がけています。

私がいま看護師として働いているのは、母親がリハビリ病院にお世話になったことがあり、そこで回復期リハビリが果たす役割の大きさを知ったことがきっかけです。母は亡くなってしまいましたが、回復を願う患者さんや家族の気持ちがよくわかるし、リハビリ治療や訓練によって日常生活動作が回復していく様子を目の当たりのするのはとても嬉しく、やりがいを感じています。

医療と福祉が密接につながっている場に携わっていたい

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今後も、現在の病院でまだまだ働くつもりです。でも、その先のことは決めていません。助産師に戻りたいけれど、ブランクがあくうちに、戻る勇気がなくなってきていて・・・・。腕が鈍るから、復帰するなら早いほうがいいんですけど、いまひとつ決断しきれないんですね。

看護学校に入学した時も、助産師学校に進んだ時も、いままで私は、あまり悩まず、スパッと決めてきました。大胆なところがある半面、慎重な面もあり、悩み始めると、あれこれ迷ってしまって(笑)。いまはそんな時期なので、逆にあえて決めなくてもいいのかなと思っています。
ブランクをはねのける気力がみなぎったら、助産師に戻るかもしれない。看護師として経験を積みたい気持ちのほうが大きいなら、このまま続ける。障害者施設で働いてみたい気もあるので、そちらに進むかもしれない・・・・。きっとそのうち大きな気持ちの波がやって来て、その波に誘われるように自然に行き先が決まるのではないでしょうか。

ただ、こんなふうにも思っています。
あまり考えずに、来た波にぽんと飛び乗った。そんな感じで、これまで数々の選択をしてきましたが、一見、別々の道のように見えても、実は全部つながっているんですね。
たとえば、大学で学んだ児童虐待問題。助産師になって、いいお産、心豊かなお産が、その後の子育てや家族関係にも影響を与え、児童虐待を防ぐことにもつながることを知りました。そして、リハビリ病院で働く現在は、福祉の領域に非常に近いところにいます。
医療と福祉はもともとひとつながりであるけれど、大学で専攻した福祉の側へと志向が戻りつつあるというか、気持ちのベースに福祉がずっとあったような気がしています。

これから先、どんな転職をするにしても、医療と福祉が密接につながっている場で、人の役に立てる働きができるなら嬉しいし、それが私の望み。そこがまったく未知の世界であり、またこの年齢で新しいスタートラインに立つことになったとしてもこわくないつもりです。

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