大学卒業後、教育関連の仕事を経て、看護師と助産師の資格を取得したM・Yさん。こうして20代のほとんどを勉強に費やし、助産師として働き始めたのは30歳目前のことでした。

これから自分はどうしたいのか、そのためにどんな勉強をするべきか・・・・「新しい目標が見えたら、スタートが遅くなっても気にせず、前進あるのみ」。人の役に立つ仕事がしたいと思い、「やれるだけやってみよう」と道を切り拓いてきたMさんのストーリーは、そう背中を押してくれるはずです。4回にわたってお伝えするM・Yさんの転職ヒストリーをじっくり読んでみてください。

*看護師転職ヒストリーMさん 1回目2回目3回目4回目(最終回)

M・Yさん(41歳)のプロフィールimage001

●看護業界歴…10年

●看護の仕事に就く前…教育関連事業所、准看護専門学校、看護専門学校、助産師学校

●転職回数…3回

●いままでの勤務先…大学附属病院(産科)、総合病院(産科)、リハビリ病院(回復期病棟)

●保有資格…准看護師、正看護師、助産師

大学卒業後、働きながら看護学校へ

社会福祉を学んだ大学時代は、将来は子どもに関わる仕事をしたいと思っていました。
専攻は児童福祉です。当時すでに児童虐待が問題になっていて、そうした子どもたちの支援ができたらと思っていたんですね。ところが、実習で児童養護施設に行き、現実のあまりの過酷さにショックを受けました。親に虐待されたり、育児放棄された子どもたちの心の傷は深く、自分のような未熟な人間には、とても支えきれないと思ったのです。

それでも、子どもと関わる仕事をしたかったので、大学卒業後は児童教育関連の仕事に就きました。そこで所長に思いがけない提案をされたことから、運命の歯車がガラガラと回り始めるのですから、人生は本当に何が起こるかわからないですね。

仕事は主に夕方からということもあって、所長はこうアドバイスしてくれました。
「日中あいているのだから、准看の学校に行ってみたらどうだろう? 大学までは親に学費を出してもらったとしても、自分でお金を稼ぎながら学校に行くということもやってみたほうがいい。ただし、准看の資格を取って終わり、ではいけない。准看はあくまでステップ。次は正看の資格を必ず取りなさい」

それまで考えもしなかったナースという職業。突然で驚きはしたものの、不思議と抵抗はありませんでした。
誰かの役に立つ仕事がしたい。そう思っていた私の将来を考え、背中を押してくれた所長に本当に感謝しています。

イキイキ働く助産師さんを見、「助産師になりたい!」

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それから関東近県の職場近くの准看学校に2年通い、准看の資格を取得。その後は仕事を辞め、東京の大学病院の附属看護学校に入学しました。とはいえ、「自分でお金を稼いで勉強するように」と所長に釘を刺されていますから、学費は奨学金で充て、生活費は訪問入浴のバイトをしてまかないました。

准看の資格をすでに持っているので、看護学校は2年のコース。ここで正看の資格を取得したら目標は達成・・・・だったのですが・・・。
実習で行った病院の助産師さんたちが、みなさん、キラキラ輝いて、楽しそうに仕事をされていて。もともと子どもや赤ちゃんが好きだったこともありますが、「助産師になろう!」と、そこで決めたのです。

看護学校の後半は、看護師国家試験と助産師学校の入学試験の勉強を平行してやるため、猛勉強の毎日。卒業した大学の教授がこの頃の私を見たら、きっと「信じられない」と言うと思います。勉強はあまり好きではなく、在学中に福祉や教育関連の資格も取らなかった私が、准看学校2年、看護学校2年、さらに助産師養成学校に1年・・・ずっと学生をやり続けているのですから。

とはいえ、助産師学校では落ちこぼれ寸前。学ぶことが深く、短期間で詰め込まなければいけない知識の多さに頭がパンクしそうでした。
それまで私は、誰の前でも弱音を吐くことはありませんでしたが、看護学校の友達に「もうやめたい」と泣き言を言ったことがあります。その時、友達はこう励ましてくれました。
「看護師の資格があるんだから、助産師の勉強をやめたって大丈夫だよ。それに、助産師や看護師にならなかったとしても、何をしても働いて食べていけるじゃない?!」

本当にその通りですね。おかげで気持ちがラクになり、「やれるだけやってみよう」と気持ちを切り替えることができました。

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次回は、助産師学校での厳しい実習を乗り越え、助産師としてやりがいをもって働く日々をお伝えします。

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