S・Mさんが5度目の転職をした先は、高級なシニアマンション。健康管理の仕事です。幼いころから、お客様をおもてなしするが大好きだったというSさんにとって、夢がかなった職場です。転職は、種を蒔くようにいろいろな人とつながり、成長する可能性を広げる前向きな機会。「人とのご縁を大切にしていれば、必ずフォローの風が吹いてきます」と、最後にメッセージしてくれました。

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S・Mさん(41歳)のプロフィール

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●看護業界歴…20年

●看護の仕事に就く前…看護専門学校

●転職回数…5回

●いままでの勤務先…大学附属病院(婦人科)、市立病院(内科、婦人科、産科、透析科、保育園)、有料老人ホーム、デイサービス、老人保健施設、シニアマンション

●保有資格…正看護師

おもてなしの心をもったサポートを

image003介護系に進んでから7年。その間、もう病院に戻ったほうがいいかもしれないと思ったことも何度かあります。でも、そうしなかったのは、やはり介護の分野が楽しく、好きだからです。

病院時代は、メンタル面でもサポートしながら、病気が治っていくのを患者さんと一緒に喜びあえるのがやりがいでした。役割は違っても、介護の分野でも同じ。健康管理や自立サポートに加え、私たちナースがいるだけで癒やされ、心のこもった対応や触れ合いを喜んでいただけるのが嬉しいんですね。

思えば私は、子どもの頃から、おもてなしをするのが大好きでした。父方の祖父は全盲でマッサージ院を営んでいたのですが、休みのたびに祖父母の家に行っては、患者さんにお茶を出していました。高校生のときは長野のスキー場に泊まり込みでバイトをし、ホテル業や接客業もいいなと思っていたくらいです。

ちょっとした心遣いによって、相手の気持ちや生活が潤い、「ありがとう」と言ってもらえるような仕事がしたい。そんな昔からの私の気持ちにぴったりあったのが、クリニックを併設する高級シニアマンションでの健康相談の仕事です。

ここは、登録していた人材紹介会社の担当者からのご紹介でした。「おもてなしの心をもって、丁寧に人と向き合う働き方をしたい」というお話をしたところ、「それなら」と推薦していただきました。

高級シニアマンションですから、みなさま生活にゆとりがあり、健康にも気遣われていらっしゃいます。夜勤業務もありますが、極端にいうと、座っているだけで1日の業務が終わることもあります。でも、「あなたが、にこやかにそこにいてくれるから安心していられるのよ」と言ってもらえると嬉しく、こういう健康サポートの仕方もあるんだと思うようになりました。

また入居されている方は、みなさん知識も経験も豊か。立ち居振る舞い、言葉遣い、話題…いろいろと勉強になります。心地よい空間に身を置き、素敵な方々と触れ合うことで、私はいまたくさんのことを吸収しています。

ご縁を感じたら、その波にうまく乗ってみる

image005転職経験者としてのアドバイス、ですか? そんなにたいしたことは言えないですが…
転職を考えるとき、「次の職場で上手くいかなかったらどうしょう」と考える人もいるかもしれません。でも、そんなことは気にしないほうがいいと思います。その場、その場でいいものを見、まわりの人のいいところをどんどん吸収する。すると信用できる人たちが必ず寄ってきてくれます。

人間って、似た波長の人が自然に集まると思うんです。いい波長を発していればステキな人がそばに来てくれるし、物事もいい方向に進む。逆に、無意識に悪い波長を出してしまっていると、ネガティブな人を引き寄せたり、物事もうまく進まなくなる。

だから、心配やマイナスな感情はなるべく持たないようにして、目の前の仕事に真摯に取り組むこと。周囲から学び、感謝する気持ちが大事なんじゃないかな、と思います。

私はこれまで何度か転職を経験しましたが、おかげで人を見る物差しが変わりました。私は看護のプロ。介護スタッフは介護のプロ。争うのではなく、お互いの力を出し合って仕事を回していく。壁や溝は私のなかではまったくありませんし、おかげでいろいろな方と知り合え、お友達になれました。

どんな職業でも、狭い世界にいると、ひとりよがりになりがちです。だから、あえて違う世界に身を置き、高くなった鼻を自分で“コンコン”と打ってみるのもいいのではないでしょうか。

また、転職にはタイミングの波があります。ステップアップしたいと考えていると、その大きな波がふっと訪れます。私にとってそれは、人とのご縁。「こういうことがしたい」と話していると、いろいろな人たちから声がかかり、いい方向に導いてくれるんですね。

3年前に再会した母は、私と会った直後に、身一つでいきなり九州から上京してきたんです。そして、すぐ人材派遣会社に登録し、デイサービスの仕事を始めました。いまは夜勤専従となり、施設長になって欲しいと言われているそうです。60歳を過ぎての、このたくましい行動力。母もきっと、人生の大きな波がやってきたのを感じ、「よし、来た」と飛び乗ったのだと思います。

「看護師って、本当に素敵な職業だね。この資格ひとつあれば十分」。母と二人、最近こう話しています。ナースとして、どこまで世界を広げ、自分を高めていけるのか。ご縁を大切にしながら、私もまだまだステップアップしていくつもりです。

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