男性の進出が増えたとはいえ、看護師はまだまだ女性の世界。職場の雰囲気に馴染むのに時間がかかったり、なかには同僚や先輩たちとの人間関係に行き詰まる人もいるようです。
その点、Y・Sさんは、これまで一度も男性であることに壁を感じたことはなかったそう。ただ、女性に対して気を配ると同時に、人一倍仕事を頑張ることを自ら心がけてきました。

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Y・Sさん(35歳)のプロフィールimage003

●看護業界歴…15年

●看護の仕事に就く前…看護専門学校

●転職回数…2回

●現在の勤務先…総合病院

●いままでの勤務先…総合病院(外科、整形科)、総合病院(ICU)、総合病院(ICU、整形外科)

●保有資格…准看護師、正看護師

看護師として、女性の世界でうまく協調していくために

高校卒業後に最初に勤めた病院は、准看学校を併設しているグループ病院。そして、正看学校を卒業して入職したのは、この学校の系列病院。勤務地は選んだものの、グループ内で就職先が決まったので、それまで僕は就活というのはしたことがありませんでした。

だから、現在の病院で初めて就活を経験(笑)。これまでの外科やICUでの経験を強みとして生かせるところを選び、また、アピールもしたつもりです。その結果かどうか、整形外科、ICU、そしてまた整形外科配属となり、今年で7年目となりました。

ひとつの病院に7年というのは、長いほうではないでしょうか。うちの病院でもこれだけ長い人は少なく、ベテランを通り越し、すっかり古株になっています(笑)。

長く勤務している理由はいろいろありますが、職場の人間関係で悩んだことがないのも一つかもしれません。そもそも僕は人間関係で苦労したことはあまりないんですけど・・・。
ただ、看護師は基本的に女性の世界ですから、女性とうまくやっていくように気を遣ってきたつもりです。

看護師になりたての頃の話ですけど、おむつ交換をしようとして、お年寄りの女性に「男の人にされるのはいやだ」と言われたことがあります。それはしょうがないことなので、僕はまったく気にしませんでした。
男性ではどうしてダメなんだろう? そう考えはしますが、反発したり落ち込むことではないですよね。いちいちそういうことを気にしていたらやってられない。でも、その半面で、男性は誰に対しても気を遣わないといけないと僕は思っています。

道を切り開いてきた“男性看護師の先輩たち”を目標に

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看護師は、男女平等に開かれている職業です。だから、男性であることは気にしない。でも、気は遣う。わかりにくいかもしれませんけど・・・(笑)。
たとえば、女性は仲良しグループをつくり、同僚の噂話をするのが好きではないですか? 僕は基本的にそういうところには入らないようにしています。というのは、そこで話した噂話や悪口は、回り回って必ず本人の耳に入りますから。

こういうこともいろいろ経験してきてわかったことですけど、女性の世界にいるんだということを忘れずにいれば、職場の人間関係にも自然と気を遣えるようになると思います。噂話の輪に加わらない、陰口はしない、角が立つもの言いはしない、力仕事や体力的にきつい仕事を率先してやる・・・。難しいことじゃないですよね。

そして、気遣いと同時に、僕がずっと心がけているのは、男性は女性以上に努力しなければいけない、ということです。たとえば同期の女性と同じようにやっていればいいという考えはダメ。自分はそれ以上に頑張らないといけない。

それを学んだのは、かつてお世話になった男性の大先輩たちからです。
17年前、准看の勉強をしながら働いていた病院で、師長クラスの男性看護師がいらっしゃいました。仕事能力が高く、人柄は穏やかで、誰からも尊敬されていて・・・。苦労話なんてひとつもされないんですが、男性看護師の先駆者的な方ですから、僕らの時代とは比べものにならないほど、苦労や気遣い、努力をされてきたはずなんですね。

男性看護師の道を切り開いてきた先輩たちのようになるには、誰よりも努力すること。男性のプライドといったら語弊があるかもしれませんが、そこは忘れず持っているつもりです。

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