高齢者が可能な限り自宅で安心して生活が送れるよう、夜間の時間帯(22時〜翌朝6時を含む)に定期巡回や利用者の通報に応じたオペレーション、臨時対応を行う地域密着型の訪問介護サービス。日中の訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護と併用して利用することができる。

夜間対応型訪問介護のサービス内容

1.定期巡回サービス

訪問介護スタッフが、夜間帯に高齢者の自宅を定期的に巡回し、オムツ交換や排泄介助、服薬確認、安否確認など、日常生活上必要な介護を提供する。

2.オペレーションセンターサービス

夜間に体調の急変や転倒、ベッドからの転落などの緊急事態が起きた場合に、高齢者やその家族などからの通報をオペレーターが受け付け、介護スタッフが訪問するべきかを判断する。

3.随時訪問サービス

オペレーションセンターサービスの対応によって、訪問の必要性があると判断した場合に、高齢者の自宅を介護スタッフが訪問するサービス。体調が急変した場合は、医療機関との連携や救急車の手配も行う。

夜間対応型訪問介護の利用対象者

要介護1〜5と認定された方。
要支援1、2は対象外。

夜間対応型訪問介護は2006年から開始しているものの、その内容が周知されておらず利用者や事業者数は増加していない。

夜間対応型訪問介護の利用の流れ

1.担当のケアマネジャーに相談する

担当のケアマネジャーに相談し、利用を検討してもらう。

2.サービス提供事業者を決め、ケアプランを作成してもらう

ケアマネジャーに利用したいサービスを提供するサービス提供事業者を選択してもらい、夜間対応型訪問介護計画を作成してもらう。

3.サービス提供事業者と契約し、利用開始

サービスを利用するために必要な機器(オペレーターに連絡するための端末機器など)を円滑に使えるように指導を受け、利用開始。利用状況をアセスメントし、よりよい活用に結びつけていく。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護との違い

夜間対応型訪問介護は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービスと似ている部分があるが、大きく違うのは以下の部分。どちらのサービスを利用すると便利か、ケアマネジャーとよく相談を!

<訪問時間帯>
夜間対応型訪問介護
 22時〜翌朝6時を含む夜間のみ
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 24時間いつでも

<訪問スタッフ>
夜間対応型訪問介護
 介護スタッフ
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 介護スタッフ、看護師、保健師、理学療法士など

<利用料>
夜間対応型訪問介護
 (1)月額+1回の利用料 (2)月額定額制
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 要介護度に合わせた月額定額制

夜間対応型訪問介護の利用負担の目安(月額)

夜間対応型訪問介護の利用料は、サービス提供事業者がオペレーションセンターを設置しているか否かで料金が違ってくる。

1. オペレーションセンターを設置している場合は、月額基本料+定期巡回・随時訪問の1回の利用料。
2. オペレーションセンターを設置していない場合は、月額定額制となるので要注意。

1.オペレーションセンターを設置している場合

基本夜間対応型訪問介護 981円(月額)
定期巡回サービス 368円(1回)
随時訪問サービス(1名訪問) 560円(1回)
随時訪問サービス(複数名訪問) 754円(1回)

2.オペレーションセンターを設置していない場合

随時訪問、定期巡回 2,667円(月額)

*上記の費用は、介護保険の自己負担が1割の場合。一定の所得がある場合は自己負担割合が2割になる。
*上記の費用は、1単位=10円で計算した場合。地域により金額は変動する。

●「介護保険制度」のそのほかの説明を見る

→ 要介護・要支援認定とは?

→ 利用できるサービス・施設の種類とは?

→ 利用者が負担する費用とは?

→ 訪問介護とは?

→ 訪問入浴介護とは?