毎回、現役の看護師のリアルなお悩みや、役立つ豆知識をお伝えしていくこのコーナー。
今回のテーマは「仕事と家庭の両立」です。
今回はこの春にお子様が大学生になられ、子育ても一段落したというベテラン看護師Cさんよりお話を伺いました。

「仕事」と「家庭」の両立ってできるの?

「家庭を持っている看護師のほとんどが“家庭”も“看護師”も両立させたいと思っています。私もそのひとりでした。『看護師として病院でバリバリ働いてキャリアを積み、家庭では育児や家事をきちんとこなす!』と考えていました。とはいえ、私の場合は考えていただけで、なかなか現実にすることが難しかったのですが(笑)。 

私の今までの経験から、大学病院に勤務している看護師長クラスの方は、うまく“仕事”と“家庭”を両立されている方が多かったという印象を持っています。最近では、『ワーキングママナースを応援します!』というのを売りに、院内保育所を完備している病院も増えてきていますね。

とはいえ“家庭”と“仕事”を両立するためには、看護師という仕事柄、自分の努力だけではどうしようもないことが起きてしまうこともあります。」

一番起きてほしくないこと…それは、子どもの急な発熱

「私が勤務している病院では、看護師は完全シフト制で仕事をしています。その中で『子どもが突然熱を出したので、本日休ませていただきます』となると、残された看護師で仕事を行わなくてはなりません。

もちろん、どの看護師も『子どもさんがかわいそうだし、お母さんに看護をしてもらってほしい』と思っています。しかし一方で、『本日勤務の看護師がひとり減ってしまったので、その分の仕事もやらなくては!』となり、ただでさえ忙しい仕事がさらに忙しくなってしまうのも事実です。

私も、看護師の仕事の多さがわかっているからこそ、子どもが小さかった頃は、常に早く寝かせ、食事などにも気を配り、病気にならないよう気を配っていました。」

家族と休みがあわない

「日曜日や祝日など、子どもの学校や夫の会社の休日が、私の休みにあわないため、家族旅行に行くことがほとんどできませんでした。また、子どもの運動会や保護者会などの学校行事も、休みの調節が難しく、全てに参加することは難しい状況でした。

“仕事”と“家庭”を両立させたいと思っていても、実際には“仕事”にあわせることが優先となってしまい、“両立”とは言えなくなっていたのも事実でした。」

「仕事」と「家庭」両立させるには?

「“仕事”と“家庭”を両立させるためには、まずご自身の勤務先での環境を整える必要があると思います。保育園のお迎え時間に必ず間に合うようにしたいのなら、確実に定時に終わる職場に環境を変える。

逆に、仕事の延長ができるようにしたいのならば、保育園には誰かほかの方にお迎えに行ってもらえるよう、家族などの協力体制をつくる。そんなふうに、自分自身で環境を整える必要があると思います。」

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お子さんが大学生になられて「子育ては終了」とお話されていたCさん。子育て中は「時間との勝負だった」と振り返ります。子どもの体調管理はもちろん、自分の体調管理は基本中の基本。そして、丈夫な身体に産んでくれた両親にも感謝しているそうです。

看護師は、自身の環境にあわせて、職場や働き方を変更できる職種です。子育てをきっかけにキャリアプランを再構築するのも良いかもしれません。

とはいえ、「仕事」と「家庭」の両立は、すべてのワーキングマザーにとって永遠の課題なのかもしれませんね。